地方創生のカギ!過疎化は本当に日本をダメにするのか?

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ryusei

地域創生について考えるなら、避けては通れない「過疎化」の問題。日本では、地域を活性化し、過疎化を食い止めようとする活動が各地で行われています。過疎化は、当事者である地域にとって重大な問題であることは明らかです。

しかし、それ以外の地域から見た場合はどうでしょうか。「過疎化が深刻だ」なんて言われても、他人事のように感じてしまう。都市部にお住まいであれば、仕方のないことかもしれません。はたして、過疎化はそんなに大変な問題なのでしょうか?

そもそも過疎化とは?

過疎化の定義

人口の急激な減少により、地域住民の生活水準や生産機能が一定のレベルを維持できなくなった状態を「過疎」、その状態が進行していることを「過疎化」といいます。過疎化が進行している地域は、市町村数でいえば全国の半数近く、面積でいえば国土全体の6割弱にのぼるといわれています。(2017年) 参考:全国過疎地域自立促進連盟

過疎地域のデータバンクhttp://www.kaso-net.or.jp/kaso-db.htm#001

過疎化これまで

【ステップ1】
高度経済成長期、都市部近郊は大規模な工業地帯だったため、工場の労働力員として若者が地方から都市部へ流出

【ステップ2】
人口が減少する=自治体への税収が減るため、教育/医療といった行政サービスが低下

【ステップ3】
人口減少する事で、企業/商業施設も売上が減少し地方から撤退し、雇用環境が悪化

人口が減少し、行政サービスも低下し雇用が悪化したところに人は留まらないはずもありません。すると若者たちは、地方に不足したサービスや仕事を求めさらに都市部へ流れていきます。こうして地方が弱体化する構図が出来上がってしまったのです。

東京一極集中

現代の日本社会では、政治・経済・文化の中心はほぼ首都・東京に集中しています。若者が好きそうな楽しいイベントも、だいたい東京で開催されます。そして、モノやカネが集まるところには、当然ヒトも集まるわけです。

現在、この東京一極集中を緩和しようという動きもありますが、いまだ成果は見られない模様です。2018年9月現在、47都道府県のうち34の自治体が転出超過(転入してくる人口よりも転出する人口の方が多い状態)であるのに対して、東京都は3000人以上の転入超過(転出する人口よりも転入してくる人口の方が多い状況)を記録しています。

参考:総務省統計局 住民基本台帳人口移動報告 平成30年9月結果

https://www.stat.go.jp/data/idou/sokuhou/tsuki/index.html

過疎化が進むと日本はどうなる?

過疎化が進む地域では、生活道路や農業用水などの管理ができなくなったり、鉄道や路線バスといった公共交通網が衰退したりといった問題が発生します。また、手入れをする人がいない山林や耕作地の荒廃が進むと、クマやイノシシなどの野生動物の行動範囲が広がり、人里に降りてきて畑を荒らしたり人を襲ったりする危険も出てきます。空地・空き家が増えることで、治安が悪化することも大きな問題点です。

過疎化によって不利益をこうむるのは、けしてその地域だけではありません。地方の過疎化によって耕作地や農業の担い手が減ることは、日本の食料自給率の低下につながります。ただでさえそんなに高くないところに、拍車をかけてしまうのです。

また、地方から流出した人口が都市部へと集中することで、都市部の「過密化」も進みます。人口が過剰に集中し「過密化」した都市部では、住宅の不足や大気汚染・水質汚染といった問題が発生します。人は一人では生きられないと言いますが、集まりすぎても生きられないのです。

過疎化対策はなぜ必要か?

過疎化によって起こる問題は、その地域だけでなく日本全体に影響を及ぼしかねません。地方の過疎化にともなう都市部の過密化も、日本にとって重大な課題です。地方の過疎化対策が、同時に都市部の過密化の対策にもなるのです。

「脱・過疎」に成功した地方の中には、古民家を有効活用するなどして、人気の観光地へと変貌したところもあります。こうした地域が増えれば、日本全体の観光資源が増加していくことになります。

また、日本では全国的に高齢化が進んでいます。その中でも過疎地域は、人口の高齢化が約20年先行しているといわれています。そんな過疎地域を再興することができれば、高齢者が生き生きと健康に暮らせる社会づくりの先進事例となることも期待できます。

まとめ

地方の過疎化が進んでも、日本の経済が急に衰退したり、日本が沈没したり炎上したりすることはないかもしれません。しかし、過疎化に向き合うことは、同時に過密化に向き合うことでもあります。過疎地域が活気を取り戻すことで、日本全体にもたらされるメリットが大きいのも事実です。

過疎化問題は、いままさに危機にさらされている地域はもちろんのこと、日本全体で取り組んでいくべき問題といえるのではないでしょうか。