「社員の離職率をなかなか下げられない」「欲しい人材と出会えない・採用できない」
こんな悩みを持っていませんか?

休暇や旅行を楽しみながら、仕事にも同じように取り組むことができる「ワーケーション」。生産性や働き方改革への関心が高まる昨今では、会社がワーケーションを導入することはあらゆる企業活動において大きな強みになるといえます。

しかし、仕事と休暇の両立という夢のような当施策にも、デメリットが含まれているのも事実。そこで今回は、会社にワーケーションを取り入れる際のメリットとデメリットを4つずつ紹介します!メリットだけでなくデメリットについても知ることで、ワーケーション導入のリアルを理解することができます。

この記事を読んで、ぜひ一度ワーケーションの導入を検討してみてください!

目次

  1. ワーケーションとは?
  2. ワーケーション導入のメリットとデメリットを解説します!
  3. 4つのメリット
  4. 4つのデメリット
  5. ワーケーション導入のデメリット改善のために必要なこと
  6. まとめ

ワーケーションとは?


ワーケーションとは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語です。場所や時間に縛られずに働く新しいワークスタイルのことを指します。

ワーケーションとして訪れる観光地は、リゾート地温泉街自然豊かなキャンプ場など様々。普段とは違った環境で仕事をすることで気分転換につながったり、非日常の体験から得られるインスピレーションによって想像力豊かなアイデアが思い浮かんだりといった効果が期待できます。

画期的な働き方といえるワーケーションですが、実は最初にワーケーションが行われたのは、パソコンやインターネットが急速に広まった2000年代初頭。アメリカが先陣を切って取り入れました。その後2017年に、日本航空(JAL)が働き方改革の一環としてワーケーションを採用したことによって、日本でも知られるようになりました。

また、ワーケーションは地方への滞在も伴うことから「地域創生」の実現にもつながると考えられています。そのため、最近では日本政府や各省庁、地方自治体等によるワーケーション事業への支援が活発に行われるようになりました。

ワーケーションは、企業に対しても、社員に対しても、行政に対してもプラスの効果を与える施策であるとして、近年注目され始めています。

ワーケーション導入のメリットとデメリットを解説します!

企業がワーケーションを導入する際に考えられるメリットとデメリットを4つずつ紹介していきます。仕事と休暇を両立できる点が魅力のワーケーション。しかしメリットだけでなくデメリットも併せ持っています。悪い側面についてもしっかりと理解することで、自社がワーケーションを導入するべきかどうかを的確に判断することができます。

4つのメリット

業務生産性の向上

ワーケーション期間の業務をきっちりとマネジメントすることが前提とはなりますが、オンとオフの切り替えを上手く行うことで業務効率を上昇させることができます。休暇と仕事の時間をしっかりと切り離すことができれば、ストレスを抱えることなく、常にリフレッシュした気持ちで業務に取り組めます。また、見慣れたオフィスから離れて、リゾート地やキャンプ場のような非日常空間の中で仕事をすることで、新しいアイデアや次のビジネスにつながるイノベーションのヒントが得られる可能性もあります。

有給休暇取得率の向上

ワーケーションの前後に有給休暇を取得してもらうことで、有給休暇取得の推進にも貢献します。日本の有休取得率は世界19か国中、ワースト1。そんな有給休暇を取得しづらい現状をつくっている要因の一つとして、働く場所や時間が限定的であることが挙げられます。ワーケーションは、その問題の直接的な解決策となります。さらに、有給休暇を利用したワーケーションを推進することは、社員の長期休暇取得にもつながります。長期休暇を通して心身共にリフレッシュすることができれば、社員の会社に対するエンゲージメントの向上、業務に対するモチベーションの向上にもつなげられます。

採用力の強化

働き方改革の普及や新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、テレワークを導入しているかどうかを重視して転職活動を行う人は年々増加してきています。そんな流れの中で、自分の好きな場所で好きな時間に仕事をすることができる「ワーケーション」を企業が取り入れることは、大きなアピールポイントになります。また、求職者だけでなく現職者に対しても自由な働き方を推奨することで、仕事や会社に対する満足度が高まり、離職率減少を実現することにもつながります。

地方創生/地域活性化への貢献

地方に移住した「定住人口」でも、地方に観光に来た「交流人口」でもない人たちのことを「関係人口」と呼びます。ワーケーションを推進することは、地方に訪れる「関係人口」の増加に貢献します。ワーケーションでは一般的な観光旅行よりも地域の生活・暮らしに触れやすくなるため、地域文化を知り、地元の人々とコミュニケーションを交わすことによって、地域活性化にもつながります。最近はSDGsやCSRといった企業の社会的な活動にも注目が集まっているので、地方創生や地域活性化に貢献できることは、大きなメリットであるといえます。

4つのデメリット

コストの増加

会社から離れた場所で滞りなく業務を行うためには、インターネットやVPNを使用できる環境を整える必要があります。また、オンライン会議システムやチャットツールをはじめとするソフトウェア、PCやスマートフォンなどのハードウェアも準備しなければいけません。これらのリソースが既に社内に用意されているようであれば問題はありませんが、一から揃えようとすれば、大きな費用が発生します。

セキュリティ面のリスク

仕事用のデバイスや業務上の重要な書類の紛失は、会社や取引先企業の機密情報流出につながってしまいます。慣れない場所で生活することになるので、持ち物やデータ、資料などはいつも以上に注意して管理する必要があります。また、宿泊先のフリーWi-fiを使用してしまうと、サイバー攻撃による不正アクセスや情報漏洩が発生してしまう可能性も考えられます。ポケットWi-Fiの導入やVPNの整備などによって対策しなければいけません。

労働時間管理、人事評価が困難

「ワーケーションを始めてみたけど、業務量が多すぎて朝早くから夜遅くまで仕事をしなければいけない」「ワーケーション中に挙げた成果や実績を正しく評価してもらえず、不満がたまった」。ワーケーションを導入した企業には、このような問題が発生してしまう可能性があります。フレックスタイム制や柔軟な人事評価制度を導入していない企業は、これらに苦戦してしまうかもしれません。

仕事と休暇の境界線があいまいになる

メリットでは「オンとオフを切り替えることで生産性が向上する」とお伝えしましたが、実際にはきっちり仕事と休暇を区別することは難しいでしょう。労働時間管理を工夫し、業務時間外の連絡はしないなどといった社内ルールを徹底させることによって対策しなければいけません。対策次第である程度問題の解決につなげられるかもしれませんが、「仕事と休暇を完全に分けたい」と考えている人は、ワーケーションには向いていないかもしれません。

ワーケーション導入のデメリット改善のために必要なこと

ワーケーション導入のデメリット改善のために必要なこと企業によるワーケーション導入のメリットとデメリットを紹介してきました。メリットだけでなくデメリットもいつくか考えられることがわかっていただけたかと思います。

しかし上記で挙げたデメリットは、取り組みや工夫次第で改善することが可能です。ここからは、ワーケーション導入のデメリットを改善するために必要な3つのポイントについて紹介していきます。

管理体制、就業規則の整備

ワーケーションとして観光地に滞在していたとしても、フルタイムで業務を行った場合には「勤務」として取り扱う必要があります。短時間勤務の場合は、時間単位で有休処理を行わなければいけません。これらを正確に行うためにも、勤怠システムの導入や出退勤の報告をルール化するなどの各種管理制度を整える必要があります。またそれに伴い、1日・半日・時間単位などで有給休暇を取得できる制度も整備することが大切です。

適切な人事評価システムの構築

オフィス以外の場所で業務を行うワーケーションでは、公平性や透明性のある人事評価を行うことができていないと、社員の業務に対する生産性やモチベーションを大きく下げてしまうことにつながります。そうさせないためにも、適切な人事評価システムを構築することはとても大切です。最適な目標設定、業務工数の見積もりなどを記載した、職務実務書などを事前に作る方法がおすすめです。

ウイルスソフトの導入、従業員教育

先ほども紹介したとおり、ワーケーションを導入する際にはセキュリティの強化を徹底することが必要になります。各社員にポケットWi-fiを携帯させたり、VPNの整備やMAMを導入するといった対策を行うことで、セキュリティの強化につなげられます。最新のウイルスソフトを導入するのもよいでしょう。また、ITやセキュリティに関するリテラシーを向上させることを目的とした、従業員向けの教育プログラムを実施することも効果的です。

まとめ

本記事では、企業がワーケーションを導入する際のメリットとデメリット、そしてデメリットを改善するために必要なポイントについて紹介しました。

画期的な働き方として注目を集めているワーケーション。時間と場所にとらわれずに仕事がしたいというニーズが年々大きくなってきていることを考えると、企業がワーケーションを導入することは、社員満足度の向上や採用活動において大きなアピールポイントになるといえます。

メリット・デメリットの両方を理解し、ワーケーションを効果的に活用していきましょう。