椎茸に含まれる旨味成分は、乾燥させることによって倍増します。その乾燥椎茸を料理で使うために水に浸して「戻す」作業を行う必要がありますが、この時にできる「戻し汁」を捨ててしまっていませんか?
実は戻し汁にも旨味と栄養素がたくさん含まれているので、捨ててしまうのはもったいないです!
今回は魅力満点の椎茸の戻し汁について、栄養価や活用方法、保存方法などの観点で解説していきます!
目次
捨てるなんてもったいない!椎茸の戻し汁は魅力満点
椎茸の戻し汁とは、乾燥した椎茸を水に浸して戻した際に出る液体のことです。椎茸は乾燥させることで風味や栄養素が濃縮されるため、乾燥椎茸の戻し汁にも旨味や栄養素がたくさん含まれています。
椎茸自体に含まれる旨味成分が溶け出した戻し汁は、椎茸独特の香りや味わいが濃縮された液体です。そのため、スープや炊き込みご飯、煮物、煮魚などの調味料として利用されることが多く、料理に深みやコクを加えることができます。
そんな魅力たっぷりの椎茸の戻し汁ですが、使用せずに捨てられてしまうことが少なくありません。とてももったいないです!
ここからは、ポテンシャル満載の椎茸の戻し汁について詳しく解説していきます。
椎茸の戻し汁は栄養満点
干すことによって栄養素がぐっと引き締まる乾燥椎茸。そんな乾燥椎茸の栄養素が詰まった戻し汁には、健康に良い貴重な栄養素がたくさん含まれています。以下で、代表的な栄養素について解説していきます。
グルタミン酸
旨味成分であり、食欲を沸せる効果があるグルタミン酸。体内のアンモニアを解毒する作用があり、尿の排出促進と脳機能の活性化に効果があります。
ビタミンB群
ビタミンB1、B2、B3、B5、B6などが含まれています。エネルギー代謝に関わる作用があり、糖質や脂質の代謝に必要な栄養素です。
ミネラル
カリウム、リン、銅、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。これらは、体内の水分バランスの調整や老化、生活習慣病の抑制に必要な栄養素であり、椎茸の戻し汁に含まれる栄養素の中でも重要な役割を担っています。
ポリフェノール
抗酸化作用があり、ミネラルと同様に老化や生活習慣病の予防・抑制に効果があります。
β-グルカン
食後の血糖値上昇の抑制や満腹感の維持、血中コレステロールの正常化といった効果が期待できます。糖尿病やガンといった重い病気の予防にも繋がる栄養素です。
椎茸の戻し汁を使ったおすすめレシピ
豊富な栄養素が含まれる乾燥椎茸の戻し汁は様々な料理に活用できます。ここでは椎茸の戻し汁を使ったレシピを3つ、紹介します。
椎茸の雑炊
■ 材料
- 米:1合
- 水:2カップ
- 乾燥椎茸の戻し汁:1/2カップ
- 椎茸:2枚
- 鶏肉:50g
- 卵:1個
- 塩:適量
- 醤油:適量
■ 作り方
- 米を研いで、水と椎茸の戻し汁を加えて普通に炊く。
- 椎茸と鶏肉を細かく切って、塩と醤油で下味をつける。
- 炊き上がったご飯に、2を入れて弱火で煮る。
- 卵を割って混ぜ、火を止めて蓋をして5分程度蒸らす。
- 器に盛り、好みで刻みネギを散らして完成。
椎茸と野菜の煮物
■ 材料
- 椎茸:2枚
- 人参:1本
- ごぼう:1/2本
- こんにゃく:1枚
- 油揚げ:1枚
- 乾燥椎茸の戻し汁:2カップ
- 醤油:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 酒:大さじ1
■ 作り方
- 人参とごぼうは皮をむいて、細切りにする。
- 油揚げとこんにゃくは水に10分ほど浸して、水気を切って一口大に切る。
- 椎茸は軸を切り落として、薄切りにする。
- 鍋に2カップの椎茸の戻し汁を入れて、1、2、3を入れる。
- 醤油、砂糖、みりん、酒を加えて中火で煮る。
- 野菜が柔らかくなったら火を止め、器に盛って完成。
椎茸のスープ
■ 材料
- 椎茸:2枚
- にんじん:1/2本
- 玉ねぎ:1/2個
- 乾燥椎茸の戻し汁:2カップ
- 水:1カップ
- 塩:適量
- こしょう:少々
- オリーブオイル:少々
■ 作り方
- 椎茸は軸を切り落として、薄切りにする。
- にんじんは皮をむいて薄切りにする。
- 玉ねぎはみじん切りにする。
- 鍋にオリーブオイルを熱し、玉ねぎを炒める。
- 玉ねぎがしんなりしてきたら、椎茸とにんじんを加えてさらに炒める。
- 椎茸とにんじんに火が通ったら、水と椎茸の戻し汁を加えて沸騰させる。
- 沸騰したら火を弱め、塩とこしょうで味を調える。
- 器に盛って、お好みでパセリやクルトンを散らして完成。
味わいを引き立たせる、乾燥椎茸の適切な戻し方
乾燥椎茸を戻し方には、適切な方法があります。異なる方法で戻してしまうと、せっかくの美味しい椎茸や椎茸の戻し汁の味わいが損なわれてしまう可能性があるため、下記に記載する方法で戻すことをおすすめします。椎茸を戻す際に必要なものは、主に以下の3つです。
- 乾燥椎茸
- 水
- 密閉容器(タッパー、ジッパー袋など)
戻し汁を作る(乾燥椎茸を戻す)手順は以下の通りです。
- 料理で使用する分の乾燥椎茸を密閉容器に入れる。
- 乾燥椎茸の全体がしっかり浸かる量の水を入れる。
- 容器を閉じて半日〜1日程度冷蔵庫に入れておく。
- 水を吸って戻った椎茸を取り出して完成。
上記では乾燥椎茸の戻し方を簡単に説明しましたが、より詳細な方法については下記記事でまとめています。詳しく知りたいという方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
椎茸の戻し汁の保存方法、保存期間について
乾燥椎茸の戻し汁は、一度の料理で使い切れない場合もあります。そんな時におすすめなのが冷凍保存です。製氷皿やタッパーなどに入れて冷凍しておくと、使いたい時にいつでも使うことができます。
冷蔵庫での保存も可能ですが、その場合は1週間程度で使い切らなければなりません。冷凍保存の場合もなるべく早く使い切ることが望ましいですが、1ヶ月程度の保存が可能なため冷蔵保存に比べて長持ちさせることができます。
魅力満点の椎茸の戻し汁を美味しく活用しよう!
今回は乾燥椎茸を戻す際にできる「戻し汁」の魅力や活用方法について解説しました。椎茸の戻し汁には豊富な栄養素が含まれており、様々な料理で活用できるということがお分かりいただけたと思います。戻し汁を賢く活用して、美味しく健康な食事を楽しみましょう!
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