椎茸には「原木栽培」と「菌床栽培」の、主に2つの栽培方法があります。
スーパーなどで一般的に販売されているものは「菌床椎茸」である場合が多いので、椎茸好きの方は「原木椎茸」について興味を持っている方は多いのではないでしょうか?
本記事では原木椎茸と菌床椎茸について、それぞれの特徴や育て方、味、香りなどの点で違いを解説していきます。
目次
椎茸本来の味わいが魅力!原木椎茸の特徴について
実際に原木を使用し、自生する形に限りなく近い環境で栽培される原木椎茸。特徴を一言でまとめるなら「椎茸の香りとうま味が凝縮されていて、椎茸本来の味わいを楽しめる栽培方法」だといえます。
まずは原木椎茸の特徴について解説していきます。
原木椎茸の味・香り・食感
大自然の中で育つ原木椎茸は土壌や原木に含まれる微生物や栄養が豊富に取り込まれるため、後述する菌床椎茸と比べて豊かなうま味と深い香りが特徴的です。様々な環境下に耐えながら成長するため食感やサイズ感も充実していて、「山のアワビ」と表現されることすらあります。
原木椎茸の特徴を最も生かすことができるのは、具材や調理工程が少ない、シンプルな料理だといえます。原木椎茸をそのまま焼いたしいたけステーキなどがおすすめです。
原木椎茸の育て方
原木椎茸はナラやクヌギの木から切り出した丸太を使用して栽培します。菌を打ち込んだ丸太は気温や湿度が適切な水準で保たれる場所で保管・栽培することで美味しい椎茸を発生させることができるため、一般的には、山奥の木々に囲まれた場所で栽培することが多いです。
ただし、最近では自宅でも栽培できる専用キットも販売されているため、原木栽培を行うハードルは下がってきています。椎茸農家ではなくても自分で原木椎茸を栽培して楽しむ人は増えてきています。
原木椎茸の購入場所
原木椎茸はスーパーや通販サイトで購入することができますが、おすすめは生産者から直接購入する方法です。
菌床栽培でも言えることですが、椎茸は鮮度が大事であるため、仲介業者を通さず手に入れられる直接購入は原木椎茸を一番おいしく食べるためには大切です。
どんな料理にもあう!菌床椎茸の特徴について
菌床椎茸は原木椎茸と比較して栽培が容易であり、高い収穫量が期待できる栽培方法です。一方で「栽培が容易だから美味しくない」というわけではなく、菌床椎茸ならではの特徴もあります。
以下で菌床椎茸の特徴について解説していきます。
菌床椎茸の味・香り・食感
菌床椎茸は原木椎茸と比べると香りが穏やかで、クセのない味わいが特徴的です。
原木椎茸のように椎茸そのものの味わいを楽しむ料理にはそこまで向いていませんが、椎茸のうま味成分を隠し味として使いたい場合には、料理を邪魔しない菌床椎茸が向いています。炒め物やスープに使用するのがおすすめです。
菌床椎茸の育て方
菌床椎茸は、原木栽培とは異なる専用の菌床で栽培されます。
育てる際には温度や湿度の調整が必要ですが、原木椎茸とは異なり空調や加湿器等で人工的に調整しながら発生を促進させることができるため、栽培は容易だと言われています。
ただし、上記の設備を用意する必要があるため、大規模栽培を行うとなると多くの初期費用が必要です。
菌床椎茸の購入場所
菌床椎茸は原木椎茸よりも多くの場所で取り扱いがあります。スーパーや通販サイトはもちろん、専門店や直売所でより新鮮なものを手に入れることが可能です。
菌床椎茸は栽培方法の特性上、安定した品質で同じ味わいを楽しめる椎茸であるため、どの場所で購入しても特別問題はありません。
種類ごとの椎茸の選び方を解説します
特にスーパーなど実際に商品を見て購入するような場所で活用できる、椎茸の選び方を紹介していきます。少しでも美味しく椎茸を食べるために、ぜひ参考にしてみてください。
原木栽培椎茸の選び方
原木栽培は個体差が出やすい栽培方法です。今回ご紹介する視点で商品を選べば、香りとうま味がより凝縮された美味しい椎茸にあたる確率がグッと高くなります。
良い原木椎茸の特徴は、以下の通りです。
- かさが肉厚で、表面がつやつやしている
- かさが開ききっていない(7,8割程度開いているものが最適)
- 裏側のひだがきれいに整っている
- 軸が太くて短い
菌床栽培椎茸の選び方
上述の通り菌床椎茸は人工的に環境を調整して栽培するケースが多いため、そこまで個体差が出ない栽培方法だと言えます。ですがそれでも美味しい椎茸を選ぶ方法はありますので、ここでご紹介します。
良い菌床椎茸の特徴は、以下の通りです。
- 全体的に白みが強い(黒くなった椎茸は鮮度が落ちています)
- かさが開ききっていない(7,8割程度開いているものが最適)
- 裏側のひだがきれいに整っている
- 軸が太くて短い
オンラインで購入できる椎茸もおすすめ!
上記はスーパーで購入する際に参考にできる椎茸の選び方ですが、最近では全国の椎茸農家さんがこだわりを持って作った椎茸を、オンラインで手軽に購入することもできます。
本来ならその地域に行かなければ購入できないような貴重な椎茸を通販サイトで購入することができるので、とてもおすすめです。
椎茸のおすすめ通販サイトは下記記事で紹介しています。ぜひこちらも読んでみてください。
原木椎茸と菌床椎茸で栄養価は違う?
椎茸は栄養価が高く健康に良い食材ですが、原木と菌床で栄養価は異なるのでしょうか?
結論としては、栄養価はほぼ同じです。どちらを選んでも上質な栄養を摂取することが可能です。
ですので、ここでは2つの椎茸に含まれる主な栄養素について解説していきます。
椎茸に含まれる主な栄養素
椎茸に含まれる主な栄養素は以下の通りです。
- ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B9)
- ビタミンD
- ミネラル(カリウム、リン、鉄、銅、亜鉛)
- 食物繊維(β-グルカン)
健康効果や美容効果について
椎茸には、以下のような健康効果や美容効果が期待できます。
- 免疫力向上
椎茸に含まれるβ-グルカンは、免疫細胞を刺激して免疫力を向上させる作用があります。 ‐ 血糖値の安定化 椎茸に含まれるβ-グルカンは、消化を遅らせて血糖値の上昇を抑える作用があります。 - コレステロール値の改善
椎茸に含まれるエルゴステロールは、コレステロール値を下げる作用があります。 - 美肌効果
椎茸に含まれるアミノ酸やポリフェノールは、肌の弾力を保つ作用があります。 - 抗がん作用
椎茸に含まれるβ-グルカンやエルゴステロールには、がん細胞の増殖を抑える作用があるとされています。
種類ごとのおすすめ椎茸料理を紹介!
原木椎茸と菌床椎茸それぞれに合う、おすすめの椎茸料理をご紹介します。今回は材料も行程も少なく、時間を掛けずに簡単に作ることができる料理をピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください!
【菌床椎茸におすすめ】しいたけのお吸い物
■ 材料(2人分)
- 菌床椎茸(2個)
- 具材 ※お好みで
- 本だし 小さじ1★
- 醤油 小さじ1★
- 塩 適量★
- 水 500ml
■ 作り方
- 鍋に水を入れ、沸騰させる
- お湯を沸かしている間に、椎茸を下洗いし、軸を切り落とす ※軸は食べられるので、他の料理で使用してください
- 椎茸と具材を鍋に入れ、火を通す
- 火が通ったことを確認したら、調味料(★)を鍋に入れ、味付けする
- 完成
【原木椎茸におすすめ】しいたけステーキ
■ 材料(2~3人分)
- 原木椎茸(6個)
- バター 15g
- 醤油 大さじ2
- 料理酒 大さじ2
■ 作り方
- 椎茸を下洗いし、軸を切り落とす ※軸は食べられるので、他の料理で使用してください
- 中火のフライパンにバターを引き、椎茸を表裏2分ずつ焼く
- 料理酒を垂らし、蓋をしてさらに表裏2分ずつ蒸し焼きにする
- 火が通ったら醤油を垂らして色付けする
- 完成
具体的なレシピは下記記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
原木、菌床の特徴を理解して美味しい椎茸を楽しもう!
今回は椎茸の代表的な2つの栽培方法、「原木栽培」と「菌床栽培」の2つの違いやそれぞれの魅力などについて解説しました。
椎茸の魅力を存分に楽しみたいなら原木椎茸、椎茸のうま味を上手く料理に鍬たいなら菌床椎茸がおすすめです。ぜひ試してみてください!
当サイトでは熊本県にある「つきぎ集落」という地域で栽培される、超肉厚の原木椎茸を販売しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。