「町おこし」「地域創生」という言葉が世に浸透してきている昨今、地方の田舎町では様々な町おこし施策や地域イベントが開催されています。しかし、どれだけイベントを盛り上げることができても、その盛り上がりが一時的なものとして終わってしまっては意味がありません。
取り組みを有意義なものにするためには、当日の参加者を集めて盛り上げることはもちろん、その後も継続して観光客や関係人口を増やしていくようなイベント・施策を行っていくことが大事になってきます。
今回は直近の2024年に開催された実績のある比較的新しい事例を中心に、町おこしや地域イベントの企画の参考になる5つの事例をご紹介してきます。
熊本県多良木町で地域おこし協力隊を募集中!!
盆地ならではの山々の景色や地域を通る日本三大急流「球磨川」といった自然の魅力、そして平安・鎌倉時代の貴重な遺産が数多く残る歴史の魅力など、様々な特徴がある多良木町。
そんな多良木町の魅力をSNSやWebメディアで発信していただくお仕事をお任せする、地域おこし協力隊を募集中です!
多良木町地域おこし協力隊の応募はこちらから!
目次
しもかわアイスキャンドルミュージアム/北海道下川町
http://www.shimokawa-time.net/event/ice-candle/
アイスキャンドルで街に光を灯す
アイスキャンドルとは、氷で作られた器の中にろうそくを入れたものです。日本でのアイスキャンドル発祥の地である北海道下川町では、冬になると家の前にアイスキャンドルが並びます。
会場内はそんなアイスキャンドルがたくさん並べられた幻想的な空間になり、多くの来場者が訪れます。
インスタ映えを狙ってフォトコンテストに挑戦!
このイベントではフォトコンテストも開催されており、誰でも簡単に応募することができます。
入賞者には賞金も用意されているので、カメラの腕に自信がある人にとってはまた別の楽しみ方があり、写真に熱中する参加者もいます。
総務大臣から表彰されたイベント
2025年2月で51回目を迎える歴史のあるイベントですが、これまでに「過疎地域自立活性化優良事例表彰総務大臣賞」を受賞したことがあり、過疎地域における町おこしのお手本になるイベントの一つと言えます。
伊丹まちなかバル/兵庫県
https://www.city.itami.lg.jp/SOSIKI/TOSHIKATSURYOKU/TOSID/event/event2022_2/40927.html
日本最大級のまちなかバル
兵庫県伊丹市で毎年春と秋の2回ずつ行われるイベント「伊丹まちなかバル」は、地方各地が取り組むバルイベントの中でも、日本最大級の規模と活気を誇ります。
2009年からスタートした当イベントは毎年継続して開催することを掲げ、地域内外から多くの参加者を集める人気イベントとなっています。
誰でも気軽に参加できるチケット制度やSNS活用
伊丹まちなかバルの一つの特徴は、1冊5枚綴りのチケットを購入し、そのチケットを使って様々なお店の商品を購入することができるという仕組みです。
チケットは金額自体もお得感のある設定となっていますが、加えて普段は立ち寄りにくい高級店もこのチケットを使って気軽に利用することができ、その点が多くの人を惹きつけていると考えられます。
また、人気店や人気商品の完売状況などをSNSで随時発信することで参加者がより行動しやすくなり、イベントに対する満足度を高めることもできています。
個店の売上拡大にもつなげられる
第一回イベントが開催された当時、伊丹市に大型のショッピングモールがオープンし、地域の商業者たちは危機感を抱いていたそうです。
そんな中打開策の一つとして開催された当イベントが個店の売上増加にもつながったといいます。
交流人口の増加だけでなく、地元の大切な文化や歴史を守っていくという観点でも、素晴らしいイベントとなっています。
清流の国ぎふ eスポーツフェス FOCUS 全国学生選手権/岐阜県
https://esports-world.jp/tournament/43585
全国を対象としたeスポーツイベントを開催
ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技としてとらえ、ここ数年で世界的に市場規模を拡大させている「eスポーツ」。最近ではオリンピック種目への採用が決定されるなど、人気のコンテンツとなっています。
岐阜県では、地域イベント「清流の国ぎふ」文化祭の一環として、『清流の国ぎふ eスポーツフェス FOCUS 全国学生選手権』が開催されました。
来場者数470人、SNS閲覧数1,100万回以上!
2023年に「清流の国ぎふ」文化祭のプレ公演として行われた大会では、来場者数470人、SNSの当イベント関係投稿閲覧数1100万人以上と、大注目のイベントとなりました。
勢いのあるeスポーツは若者を中心に高い注目度を誇ります。入念に企画、準備を行ったeスポーツイベントは地域の新たな交流機会の創出に繋げられるかもしれません。
eスポーツが地域創生の新しい形に
上記のような来場者数を集められるという点で、交流人口の増加に繋げられるeスポーツイベント。
しかしそれだけでなく、イベント運営のスタッフやゲーム開発、ITインフラの整備といった幅広い分野での雇用創出が期待できるのと、活用できていない地域施設の再利用ができるという面でも地域創生の新しい形として注目されています。
田んぼアート/埼玉県行田市
https://www.gyoda-kankoukyoukai.jp/spot/669
田んぼアートとは?
田んぼをキャンバスに見立てて、色の異なる稲をペンや絵の具の代わりとして使用し制作された巨大な絵や文字。これを「田んぼアート」と呼びます。
巨大なアート作品であるため、基本的には展望台やヘリコプター、ドローンなどを用いてその美しさを楽しみます。緑鮮やかな色彩が特徴的な、大自然を活かしたアートです。
ギネスに認定?!世界最大の田んぼアート
2008年から田んぼアートの制作を開始した埼玉県行田市。なんと7年後の2015年には、世界最大の田んぼアート作品を作ったとして、ギネス世界記録に認定されました。
田んぼアートは、行田市の広大な水田を彩る新たな風物詩となりました。
田んぼアートを作るのは、500人の公募ボランティア!
2008年以降、毎年のように制作されている行田市の田んぼアート。2024年のアートテーマは「能登復興応援」でした。
そんな行田市の田んぼアートを制作したのは、なんと500名以上の公募ボランティア!「世界を代表する芸術作品の制作メンバーになれる」というこれまでにない新しい価値を生み出し、提供したことが、行田市の知名度向上に大きく貢献しました。
SATOYAMA RUN in 飛騨高山/岐阜県高山市
https://satoyama-run.com/
大自然を感じながら走る!インバウンド向けランイベント
SATOYAMA RUNは、岐阜県高山市にある丹生川(にゅうかわ)地区にて行われたランイベント。美しい田園風景の中を走り、地域の人々と触れ合うことで、日本の良さを再確認することを趣旨としています。
さらに、このSATOYAMA RUNはインバウンド(訪日外国人)の誘致に力を入れたイベントでもあります。参加者のうち2~3割は海外の方で、アメリカ・香港・台湾・中国などさまざまな国の方が訪れました。
インバウンド需要獲得の成果もあり、2018年に開催された第1回では約550人を動員しました。
全身で里山の魅力を堪能できる
コース途中に設けられたエイドステーションには、丹生川地区特産のトマトや高山名物のお菓子、昔懐かしい甘酒などを用意。さらにイベント前日に行われる前夜祭では、飛騨の地酒や飛騨牛などが振る舞われます。
美しい景色を見ながら走るだけでなく、その土地の特産物を味わうことで、参加者はより里山の魅力を強く感じることができます。
SNSフォトコンテスト
SATOYAMA RUNの開催に伴って行われたSNSフォトコンテスト。イベントを楽しむ様子を参加者自身がSNSでシェアすることで、情報の拡散と知名度の向上が期待できます。
こういったSNSを使った企画は、イベント参加者に「写真を撮ってコンテストに応募する」という楽しみ方を提供すると同時に、今後「参加者になるかもしれない」層に広くアプローチすることもでき、非常に効果的な施策です。
海外からの観光客誘致を重視したSATOYAMA RUN。日本の美しい田園風景を武器に国際交流を生む新しいランイベントとして、今後も注目のイベントです。
まとめ
町おこし・地域創生を行うにあたって、イベントを行って人を集めることは非常に効果的です。しかし、地域イベントの開催はあくまで“きっかけ”。当日に人がたくさん集まったからと言って、かならずしも地域の活性化につながるとは限りません。
地域イベントを意味あるものにするためには、そのイベントを通じて、地域の魅力を参加者にアピールすることがなによりも重要なのです。
地域の魅力をアピールする方法は様々です。当サイトでは下記のような内容も解説しているので、ぜひ一度ご覧いただけたらと思います。
また、当サイトの活動拠点でもある熊本県球磨郡多良木町では、現在地域おこし協力隊を募集しています。
「地域活性化の取り組みに興味がある。」
「自分の力で地域を盛り上げる仕事がしてみたい」
こんな想いを抱いている方は、ぜひこちらの地域おこし協力隊に応募いただけたらと思います!