ひりゅうです!
「歴史とロマンの町」と称される多良木町には、その肩書きの通り、歴史ある文化財が数多く保存・保管されています。
特に鎌倉・室町時代に由来する建造物が多く残されており、全国的に見ても希少価値の高い文化財がたくさん見られます。
今回はそんな多良木町の歴史遺産の一つ「王宮神社」をご紹介します。
神社・仏閣好きのみなさんは必見です!
多良木町 王宮神社の基本情報
王宮神社は多良木町の黒肥地というエリアにある、歴史ある神社です。創建は807年。もともとは別の場所で建立されたとのことですが、949年に現在の黒肥地是居(ぜい)に遷座されました。
その後、上相良氏と下相良氏の両氏によって度重なる造営、修復が行われ、今の形になっているとのことです。
鎌倉・室町時代の遺産が多く残る多良木町ですが、創建の807年は時代で言うと平安時代。さらに歴史ある神社になります。しかし、全体の老朽が著しく、平成2年に解体・修復工事が行われました。
かつての建造物がそのまま残っているわけではないため国指定の文化財には登録されていませんが、貴重な歴史的遺産ということで熊本県指定の文化財に登録されている建造物になります。
詳細情報
名前 | 王宮神社 |
---|---|
住所 | 熊本県球磨郡多良木町黒肥地1169−4 |
営業時間 | - |
定休日 | - |
駐車場 | あり |
アクセス | くま川鉄道 多良木駅より徒歩15分 |
いざ王宮神社へ!神社内部を紹介します
今回はそんな貴重な文化財、王宮神社に実際に行ってその風格を見学してきました!
ここではその様子をお届けします。
鳥居は境内の横に
正面にありがちな鳥居ですが、正面には後ほど紹介する楼門があるため、境内の横側にあります。車で来る方は、駐車場からまっすぐ進んだ先にあるので分かりやすいと思います。
楼門から入るのも良いですが、今回はこちらの鳥居から入場します。
圧巻の楼門は一見の価値あり
鳥居から入りはしましたが、やはり神社の顔ともいえる楼門は見ておかなければですよね。ということですぐに楼門へ向かいました。
先ほどは説明しませんでしたが、王宮神社では御社殿よりもこの楼門の方が有名であり、歴史的価値があるとされています。
というのも、この楼門は熊本県内では最古の唐様楼門なんです。唐様とは鎌倉時代に中国から伝来した建築様式のこと。
御社殿は平成2年に全体的な修復工事が行われたため、あくまでこの楼門のみが最古という位置づけとなっています。
楼門の内部には、迫力ある2体の仁王像が立っています。仁王像は通常お寺の門に立っているものになりますが、建立当時の神仏習合(神道と仏教が合わさった宗教観)の考え方に則り、建てられたと言われています。
仁王像も楼門そのものも、さすがの迫力で見ごたえ抜群でした!
厳かな雰囲気漂う幻想的な御社殿
そしてこちらが、当神社のメインとなる王宮神社の御社殿です。
歴史を感じる木造の外装に、アクセントにもなっている橙色の装飾、そしてそれを覆うように広がる緑色の木々が、なんとも幻想的な雰囲気を醸し出しています。
そこまで大きな建物ではありませんが、こじんまりとした御社殿が木々の中にひっそりとたたずむ様子にはどこか隠れ家的な要素も感じられ、貴重な文化財であることがひしひしと伝わってきます。
拝殿の前には本坪鈴(ほんつぼすず)が2つ吊るされており、参拝をする際も厳かな雰囲気を味わえます。
もちろん、この御社殿は楼門に負けず劣らずの迫力がありました!
周りの建造物からも歴史を感じる
王宮神社のメインとなる建物は上記の2つですが、御社殿の周りには他にもいくつか建物があり、どれも歴史が感じられるものでしたので、ぜひ一緒に見て回っていただけたらと思います。
まずは若宮。王宮神社の摂社になります。風情を感じる赤い鳥居が特徴的です。
次は源嶋神社。この摂社は古宮になります。
本記事の初めに、王宮神社は949年に現在の場所に遷座されたとご紹介しましたが、移動する前の場所がこの古宮の名前にもある「源嶋の地」だとされています。創建当初の場所を敬い、建てられたものなのかもしれませんね。
こちらは手水舎でしょうか。水が出る蛇口がありました。こちらの建物の背景はわかりませんでしたが、石の形や風合い、屋根の雰囲気が絶妙で、歴史を感じます。
最後に、王宮神社の説明看板です。これを読めば歴史の大枠は掴めます。せっかくなので、ぜひ王宮神社の背景も知っていただけたらと思います。
多良木町にきたら、ぜひ王宮神社へ!
今回は多良木町を代表する歴史的建造物の一つ、王宮神社をご紹介しました。
何度も改修工事が行われてはいますが、鎌倉・室町時代の建築は壮大で、迫力がありました。また、県内最古の楼門も立派で見ごたえがあり、良かったです。
貴重な文化財なので、歴史好き、神社仏閣好きの方にはぜひ訪れてみてほしいと思います!
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