日本三大急流「球磨川」が町の中央を流れ、また面積の8割が森林に覆われているという大自然に恵まれた田舎町、多良木。

しかし、多良木町は自然の魅力だけでなく、全国的にも貴重な歴史的文化財が多く残る地域としても知られています。

今回ご紹介するのは、その中でも多良木町を代表する重要文化財「青蓮寺阿弥陀堂」です!

鎌倉時代に建立された重厚な雰囲気漂う青蓮寺阿弥陀堂の歴史、建築、見どころ、そして併せて訪れたい多良木町の観光地もいくつかご紹介していきます。

目次

  1. 重要文化財「青蓮寺阿弥陀堂」について
  2. 青蓮寺阿弥陀堂の見どころをご紹介!
  3. 青蓮寺と一緒に行きたい!多良木町の観光地
  4. 一度は見ておきたい、青蓮寺阿弥陀堂

重要文化財「青蓮寺阿弥陀堂」について

まずは今回ご紹介する「青蓮寺阿弥陀堂」について、建造物としての歴史や特徴について解説していきます。

まずは歴史についてです。

阿弥陀堂が創建されたのは、永仁3年(1295年)と言われています。上相良家の三代相良頼宗が、初代頼景の菩提を弔うために建立しました。

出所:https://kuma.atukan.com/rekisi/tyusei2.html

そしてその3年後、頼景夫人の青蓮尼の位牌所として「青蓮寺」を建立しました。

現在の阿弥陀堂は約560年前の室町時代中頃に再建された御堂となっていますが、鎌倉、室町時代から残る貴重な文化財であるといえます。

建造物としての特徴ですが、まず印象的に映るのが重厚感のある茅葺屋根です。

四柱造の茅葺屋根の高さは13メートルあり、県内最大の茅葺の御堂だと言われているほど、迫力があります。

外見は一見すると素朴な印象を受けるかもしれませんが、随所に鎌倉時代特有の荘重雄健な風合いが感じられ、独特な迫力が特徴的です。

出所:https://hitoyoshi-kuma-heritage.jp/story2/shorenji/

また、今回は中に入ることができず紹介することができないのですが、御堂内の木造阿弥陀如来像観世音菩薩立像勢至菩薩立像は国の重要文化財に認定されており、当時の技術力と幻想的な雰囲気を味わえる素晴らしい彫刻となっています。

ぜひ堂内が解放されていたら、見てみてほしいと思います!

青蓮寺阿弥陀堂の見どころをご紹介!

それでは、ここからは実際に現地を訪れて確認してきた、青蓮寺阿弥陀堂の見どころをご紹介していきます!

田舎道の中に壮大な建造物を発見!

青蓮寺は田んぼや畑が並ぶ田舎道の途中に、ポツンとたたずんでいます。

ただ、ポツンとたたずんでいるとはいえ、重厚感ある茅葺屋根の建物と、丁寧に管理された周りの様子を見れば、重要文化財であることが一目でわかります。

敷地の入口から阿弥陀堂までの道のりが真っすぐ敷かれており、正面に立つとどこか厳かな気分を味わえます。

まずは入り口左側の看板をチェック

正面の入口を入ってすぐ左側には、青蓮寺の歴史や詳細がまとめられた看板が立てられていました。

写真や図面と一緒に丁寧に解説されているので、歴史や文化に興味がある人もない人も、まずは一読してみることをおすすめします。

右側の銅像を拝めば子宝に恵まれる?!

看板の真反対には、5つの小さな石像と、青色をした雰囲気のある銅像が並んでいます。

この像については特に説明がなかったので詳細はわかりませんでしたが、青色の銅像の腕には小さな赤ちゃんが抱えられていて、子宝に恵まれる的な縁起の良さがありそうだなと感じました。あくまで勝手な想像ですが笑

これが歴史的建造物「青蓮寺阿弥陀堂」!

さて、お待ちかねの青蓮寺阿弥陀堂です!

この日は天気が良く、青空と相まって特に美しい印象がありました。

相変わらず分厚い茅葺屋根は迫力がありますね。木造の壁の雰囲気も味があって、シンプルな建物ですが威厳を感じます。

靴を脱ぐことで堂内に入ることができるそうですが、この日は開放されていませんでした。以前訪れたときも開放していなかったので、中が気になる方は一度町に確認してみた方がいいかもしれません。

中にある像は非常に価値が高いと聞いているので、一度は生で見てみたいですね。

御堂裏には古塔群もあります

阿弥陀堂の裏には、「青蓮寺古塔群」と呼ばれるものがありました。

迫力は阿弥陀堂には負けてしまいますが、これらは歴代の相良当主の墓だと言われており、負けず劣らずの歴史的価値の高さがあると思います。

また、さらに奥には大きな慰霊碑も祀られていました。詳細はよくわかりませんでしたが、何十段もの階段の先に祀られていたため、こちらもおそらく歴史的な価値があるものなんだと思います。

青蓮寺の見どころポイントは、以上になります!

青蓮寺と一緒に行きたい!多良木町の観光地

青蓮寺は一見の価値ある素晴らしい文化財ですが、せっかく多良木町に来たのなら青蓮寺だけで終わってしまったらもったいない!

ということで、最後に青蓮寺と併せて訪れたい多良木町の観光スポットを3つご紹介します。

太田家住宅

江戸時代後期に作られたとされるこの建物は、地域の豪農の住宅です。こちらも青蓮寺と同じく国指定の重要文化財であり、価値の高い建造物になります。

農業に加えて酒造を営んでいた太田家でしたが、当時は家づくりの規制が厳しく、大規模な住宅を建てることは困難でした。そんな厳しい状況下で、制限されたスペースでできる限り広く建物を活用するために考案され、実装されたのがこの住宅になります。

住宅内には農具や生活用品などの当時の資料が展示されており、江戸時代の農村生活を垣間見ることができるので、ぜひ一度足を運んでみてください。

ブルートレインたらぎ

鮮やかな青色の車体がとても美しい「ブルートレインたらぎ」。まさに列車の見た目をしている建物ですが、実はここは宿泊施設になります。

かつて九州を走っていた寝台特急「はやぶさ」は、当時一世を風靡した「ブルトレブーム」の立役者でもあります。

惜しくも2009年に廃止となってしまいましたが、当時の車両をそのまま使用した「トレインホテル」として生まれ変わり、人気宿泊施設として多良木町を支えています。

車内のほとんどは当時のまま残されており、宿泊者はまるでタイムスリップをしたかのようなブルートレインでの体験を味わうことができます。

遠方から青蓮寺を観に来られる方は、ブルートレインたらぎの宿泊を検討してみてはいかがでしょうか?

妙見野自然の森展望公園(※)

出所:https://www.town.taragi.lg.jp/gyousei/soshiki/nourinseibi/ringyoushinkou/shisetsu/2405.html

※2024年6月現在、大雨の影響で道路が通行止めとなっており、施設を利用することができません。

多良木町南東部の山道を少し進んだ先にあるのが、「妙見野自然の森展望公園」です。

人吉球磨盆地を一望できる絶景スポットとして知られており、現在はキャンプ場や遊歩道などが整備され、多くの人が訪れる人気の観光スポットになっています。

冬の時期には、タイミングが良ければ町全体を霧が覆う「雲海」を眺めることもできます。

幻想的な雲海の景色は一見の価値ありですので、ぜひタイミングを合わせてこちらも訪れてみてください。

一度は見ておきたい、青蓮寺阿弥陀堂

今回は多良木町を代表する歴史的建造物「青蓮寺阿弥陀堂」についてご紹介しました。

全国的に見ても鎌倉時代に建立された寺院が残っていることは少なく、価値の高い文化財であると言えます。

お寺好きの方はもちろん、近隣地域に住んでいる方はぜひ一度は足を運んで、その荘重雄健な雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか?

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