普段は静かに閉ざされているお堂の扉が、年にたった2回、お彼岸の時期だけに開かれる特別な期間があります。人吉球磨地域で古くから受け継がれてきた、三十三観音巡りです。
2026年秋の御開帳は、9月20日(日)から9月26日(土)までの7日間。もちろんこの期間だけ見られる秘仏も素晴らしいのですが、今回はこの三十三観音巡りを通して見えてくる、多良木町の「中山観音」と「栖山観音」、そして地域の人々の温かな暮らしについてご紹介します!
多良木町に伝わる2つの観音様「中山観音」と「栖山観音」
人吉球磨地域には、35箇所の札所を巡る「相良三十三観音巡り」という歴史ある観音巡礼の文化が根付いています。多良木町にも素晴らしい観音様が多数祀られていますが、期間中にご開帳が行われるのは、「中山観音」と「栖山観音」です。
中山観音(多良木町久米)

相良三十三観音の第28番札所。ご本尊の「木造聖観音立像」は平安時代前期の作と伝わり、全体の均整が取れた美しいお姿は県の指定重要文化財にも認定されています。四天王像とともに静かに佇む姿には、思わず背筋が伸びるような凛とした気品があります。
栖山観音(多良木町黒肥地)

相良三十三観音の第23番札所。駐車場から108段の石段を登った、豊かな森の中にひっそりとお堂が建っています。ご本尊の「木造千手観音立像」は鎌倉時代の作で、球磨郡内最大(像高約2.83m)と言われる圧巻のスケール!こちらも県の指定重要文化財です。
普段、これらのご本尊は「秘仏」として厨子(ずし)の中に納められており、直接お姿を拝むことはできません。年に2回、お彼岸のこの時期だけ扉が開かれ、地域の人々や参拝者があたたかく迎え入れられます。
昨年、お参りに訪れて触れた「地域のあたたかな日常」

私自身がこの御開帳に足を運んだのは、昨年の秋のことでした。
そこにあったのは想像以上に温かく、やさしい多良木町の光景。お堂に足を踏み入れると、地域のおじいちゃんやおばあちゃんたちがちらほらと集まり、お茶やお菓子を囲んで楽しそうに談笑していました。
「どこから来たの?」「まあお茶でも飲んでいきなさい」と気さくに声をけてくださり、気づけば私も一緒に輪に入ってお菓子をつまみながら、のんびりとおしゃべりを交わしていました。
特別な観光イベントというよりも、集落の人たちが自然と顔を合わせ、互いの近況を語り合う大切な暮らしの場。
信仰の場でありながら、同時に地域の人と人とを温かくつなぐ場でもある——。長く受け継がれてきた伝統行事だからこそ漂うこのぬくもりこそが、多良木町の何よりの魅力だと実感した瞬間でした。
2026年秋の御開帳情報まとめ
今年の秋の御開帳期間は、9月26日(土)までとなっています。普段は見ることのできない貴重な秘仏に手を合わせ、地域の方々のあたたかさに触れられる年に2回の貴重な機会です。多良木町を訪れる際は、ぜひこの時期を狙って足を運んでみてくださいね!
2026年秋 相良三十三観音 御開帳詳細
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 開催期間 | 2026年9月20日(日)〜 9月26日(土) |
| 中山観音(第28番) | 熊本県球磨郡多良木町久米(ご本尊:聖観音立像 / 県指定文化財) |
| 栖山観音(第23番) | 熊本県球磨郡多良木町黒肥地(ご本尊:千手観音立像 / 県指定文化財) |
| お問い合わせ | 多良木町教育振興課(TEL: 0966-42-1267)/ 多良木町観光協会 |