旅行目的の観光客は、「食」を目当てに旅行先を決めることが少なくありません。そのため、過疎化や高齢化が進む地域では、町おこしや地域活性化につなげるために地域独自の特産品を活用した様々な施策・イベントが行われています。
今回は特産品をはじめとする「食」を使った町おこしの成功例や、複数の事例に共通する成功のポイントについて解説します!
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盆地ならではの山々の景色や地域を通る日本三大急流「球磨川」といった自然の魅力、そして平安・鎌倉時代の貴重な遺産が数多く残る歴史の魅力など、様々な特徴がある多良木町。
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まずは地域の特産品・名産品について理解しましょう
「食」を使った町おこしを行う上では、まずは自分の地域にどんな産品があるのかを明確に把握することが大切です。そして、自地域が保有する産品にはどんな価値があるのか、どんな魅力があるのかも特定する必要があります。
特に、特産品と名産品の違いについては注意して確認するようにしましょう。2つの違いについては『特産品と名産品の違いとは?』の記事で解説していますが、例えば特産品だと思っていた産品が実はそうでなかった場合、効果的な施策の内容は大きく変わってしまうため、事前に地域の産品が全国的に見てどんな価値があるのかを理解しておく必要があるのです。
特産品・名産品は地域を代表する産品で、その土地の気候や風土、歴史などと密接な関わりを持ちます。中には特産品や名産品の名前だけで地域が思い浮かぶくらい、大きな影響力や人気を獲得しているものもあります。
町おこしを行う上で、観光の促進を無視することはできません。そして、この観光促進には「食」を活かした施策・地域イベントが非常に効果的だと考えられています。特産品や名産品の特徴をよく理解したうえで活用することで、町おこしにつなげることができるのです。
特産品・名産品を使った町おこし成功例5選
全国の事例の中から特産品や名産品を使った町おこしの成功例をご紹介します!
ゆずで町おこし(高知県)
https://umajimura.jp/spot/factory/
高知県安芸郡にある馬路村は、名産品であるゆずを使った町おこしに成功した地域と言えます。ゆずの果汁を使ったドリンクやギフトの販売に成功し、売上を伸ばしています。
馬路村の成功を支えた要因の1つは、村そのものをブランド化したことです。「ゆずの森」として、自然の豊かさなどをアピールして都会と差別化すると同時に、観光客を呼び込める工場を整備したことなども躍進を後押ししました。
「品質競争」の農産物直売所(茨城県)
https://mizuhonomuraichiba.com/
茨城県つくば市には「みずほの村市場」という農産物直売所があります。現代では農作物の価格競争が激化する中で、あえてその流れに逆行したユニークなシステムがこの直売所の魅力です。
生産者の利益を守るために「先に同じ品目を出荷している農業者よりも安い値段で売ってはいけない」というルールが徹底されています。この制度によって、生産者はより高い品質を保つ努力が促進されるようになり、県外からも多くのお客さんが訪れる人気の直売所となっています。
ギフト用の高級マンゴー(宮崎県)
https://tobigift.jp/products/list?category_id=18
「太陽のタマゴ」として知られる宮崎県のマンゴーは、当初沖縄がシェアを占めていたマンゴーの市場において、ギフト用の高級品としての地位まで登り詰めています。
この商品はいきなり県外に向けて売り出すのではなく、まずは県内に向けて売り込み、県内の人が県外の人に向けて送るギフトとしての立ち位置を確立したことで、現在の全国的な人気に繋がりました。
また、このヒットだけで終わらせず、「みやざきマンゴーの日」や「マンゴーウィーク」などを設けて、毎年継続的にヒットする仕組みも作っています。
島の家庭料理を商品化(島根県)
http://www.town.ama.shimane.jp/tokusan.html
島根県隠岐郡の離島、海士町では「島じゃ常識さざえカレー」が人気のグルメとなっています。カレーの具材としては肉や野菜が主流ですが、海士町では隠岐の海で獲れるサザエを使ったカレーが一般的です。
海士町では家庭料理の1つですが観光客にとっては珍しい料理であり、その視点からレトルトカレーとして商品化され人気を集めています。
隠岐の海の恵みが詰まったサザエの美味しさと、さっぱりとした味わいが特徴です。
青いレモンの島(愛媛県)
https://www.aoilemon.com/publics/index/47/
瀬戸内海に囲まれた愛媛県上島町の岩城島では、「青いレモンの島いわぎ」を合言葉に島のブランディングをしています。
岩城島では約30年前から「青いレモン」で町おこしに取り組んできました。レモンは通常黄色のイメージが強く、当初はなかなか受け入れられませんでしたが、地道な宣伝と高い品質によって次第に「国産レモン=グリーン」と認識されて現在に至ります。
防腐剤やワックスを使わない岩城島の「青いレモン」は皮まで食べられるレモンとしても知られています。
成功例に共通するポイント
ここまで特産品や名産品を使った町おこしの成功例をご紹介しましたが、全てがこのように上手くいくとは限りません。むしろ良い特産品や名産品があり、魅力的な地域でも町おこしが上手くいっていないケースは多くあります。
しかし、ポイントを抑えて効果的に特産品や名産品を利用することで、「食」に関する施策が大ヒットを生み出す可能性はあります。特産品などの「食」を使って町おこしを成功させるためには、以下のようなことが大切です。
- その地域に来る理由を付ける
- 単発のヒットで終わらせない
- 地元の住民が参加できるシステムを作る
その地域に来る理由を作る
特産品のヒットが必ずしも町おこしにつながるとは限りません。特産品は売れているのになかなか活性化せず、衰退してしまった地域もあります。そこで大切なのが、その地域に来る理由を作ることです。
特産品の工場や直売所を観光客向けに整備・公開するのは、効果が期待できます。また、体験型施設を設けることで、特産品をきっかけに町自体に興味を持ってもらえるかもしれません。
単発のヒットで終わらせない
商品のヒットは長く続くとは限りません。流行は常に移り変わるものなので、ヒットから時が経っても愛される商品にする必要があります。
ブランディングや定期的なキャンペーンによって消費者にアプローチし続けることが、長く愛されるロングセラー商品を作るための要素と言えるでしょう。
地元の住民が参加できるシステムを作る
町おこしの主体はその地域に住む人です。地元住民の協働なしに町づくりの成功はありえません。その地域で暮らす人々が自分たちで維持できる仕組みや、地域内の経済が豊かになるシステムである必要があります。
地域の魅力を最大限に引き出し、より地域への愛着が湧く仕組みを作ることで、外部からも魅力的な町になるでしょう。
地域の特産品・名産品を町おこしにつなげましょう!
今回は特産品や名産品を使った町おこしの成功例をご紹介しました。
それぞれの地域の魅力が詰まった産品を上手に活用して町おこしにつなげられると、地域の魅力を外部の人に知ってもらうきっかけになり、地域をさらに元気にすることができます。
今回ご紹介した特産品や名産品を使った町おこしの他にも、全国で多くの町おこし・地域イベントが行われています。ご興味を持たれた方は以下の記事も是非ご覧ください。