地域を代表する産品を表す言葉として、<strong”>「特産品」と<strong”>「名産品」があります。これまでこの2つの言葉を特に使い分けることなく使用していた人も多いかと思いますが、実は「特産品」と「名産品」は意味が異なる言葉なんです。
今回は特産品と名産品の意味の違いについて解説し、さらに全国の代表的な特産品についてもいくつかご紹介していきます!
特産品とは?名産品との違いについても解説
「特産品」の意味って何?
特産品とは、ある特定の地域で産出されるもののことで、その地域でしか作れない産品を指します。夕張メロンや松阪牛、紀州漆器など、地域の名前を冠する場合が多く、気候や風土、歴史背景などとの関わりを持ち、その土地で作られてきた産物のことをいいます。
「特」という漢字から連想されるように、その土地でなければ作れないという意味が強い言葉であるといえます。
特産品の例
- 夕張メロン/北海道夕張市
- 加賀なす/石川県金沢市
- 越前ガニ/福井県丹生郡越前町
- 松阪牛/三重県松阪市
- 紀州漆器/和歌山県海南市
これらの産品はその土地で作られたものである必要があるため、特産品に分類されます。
「名産品」の意味って何?
名産品とは、その土地の産品であることが全国的に有名であるもののことを指します。必ずしもその土地で作られている必要はありませんが、産地として他の地域よりも有名である場合に、「名産品」という言葉を使うことができます。
もう少しわかりやすく特産品との違いを説明します。例えば、「美味しいお米の産地はどこ?」と質問されたら、どこを思い浮かべるでしょうか?新潟県を思い浮べる人が多いと思いますが、秋田県や北海道を思い浮かべる人もいるかと思います。
つまり、「美味しいお米」は特定の地域だけでなく様々な地域で生産することが可能であるといえ、この場合に「お米は新潟県の名産品」「お米は秋田県の名産品」として言い表すことができるのです。
ただし、「新潟県の『魚沼市』で作られるお米」の場合は、魚沼市という特定の地域でしか生産できないお米であるため、特産品に該当します。少し複雑ですが、「市町村レベルで細かく地域が特定されている産品は『特産品』、それよりも粗い粒度で特定されている産品は『名産品』」と覚えておくのがわかりやすいと思います。
名産品の例
- ジャガイモ/北海道など
- 米/新潟県など
- みかん/和歌山県など
- 牛タン/宮城県など
- イチゴ/福岡県など
これらの産品は他の地域でも作られていますが、特にその地域で作られるものが有名であるため、名産品に分類されます。
特産品と名産品の違いをまとめると
特産品と名産品の違いを簡単にまとめると、特産品は「その土地で作られている」ということに注目していて、名産品は「その土地で作られていることが広く知られている」ということに注目しています。
イメージは、下記表を参考にしていただければと思います。
特産品 | 名産品 | |
---|---|---|
その土地でしか作れない | 〇 | △ |
全国的に有名 | △ | 〇 |
地域分類の粒度 | 細かい (市町村レベルで特定されることが多い) |
粗い (都道府県レベルで特定されることが多い) |
全国の有名な特産品を紹介します!
ここでは、全国の特産品の中から有名なもの、人気なものを一部選んでご紹介します。
- 夕張メロン(北海道)
- あかつき(福島県)
- ゆかり(愛知県)
- 金山寺味噌(和歌山県)
- 球磨焼酎(熊本県)
夕張メロン(北海道)
https://prezo.jp/column/2563
北海道を代表する高級果物ブランドの1つ、夕張メロン。北海道の夕張市でのみ生産される限定品種で、昭和35年の開発以降、50年以上も変わらず守り続けられてきました。
芳醇な香りとコクのある甘味、とろける食感が魅力で、鮮やかなオレンジ色の果肉が特徴的です。気候の特性上、出荷される時期が5月中旬から8月までの約3か月間という希少性もあり、非常に高い人気を誇っています。
今では日本を代表するメロンブランドと言われており、ギフト用としても喜ばれる一品です。
あかつき(福島県)
https://hishinumanouen.com/momo/197
桃の出荷量全国第2位を誇る福島県。そんな福島県が独自に研究を重ねて開発したのが「あかつき」です。
福島県福島市に古くから伝わる伝統の祭り「あかつき参り」にちなんでこの名前が付けられました。実が大きく、肉質が緻密、甘みが強い、と三拍子そろった、果物王国・福島を代表する極上のブランド品種です。
あかつきは果実に袋を被せずに栽培する方法が主流であり、太陽光をたっぷりと浴びることができるため、美しい見た目と高級感ある味わいが最大限に引き出されます。
ゆかり(愛知県)
https://shopblog.dmdepart.jp/ueno/detail/?cd=021893&scd=000409
明治22年創業の坂角総本舗が製造・販売する元祖海老せんべい、ゆかり。車海老の漁獲量全国1位を誇る愛知県では、江戸時代から海老のすり身を炙って焼いた「えびはんぺい」が徳川家に献上されていました。
このえびはんぺいを坂角総本舗創業者の坂角次郎氏が改良して作ったものが、現在の「ゆかり」の原型です。その後昭和41年に3代目によって「ゆかり」と名付けられ、50年以上愛され続けるロングセラー商品となりました。愛知県を代表するお土産の1つです。
金山寺味噌(和歌山県)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kinzanji_miso_chiba.html
金山寺味噌は和歌山県に古くから伝わるなめ味噌(調味用ではなくそのまま食べる味噌)で、平安時代または鎌倉時代(諸説あり)に、中国に渡った僧侶が持ち帰って伝えたとされています。
米・大麦・大豆・なす・瓜・生姜・しそが入った自然発酵の味噌で、醸造時に樽のそこにできる「溜まり」と呼ばれる液体は現在の醤油の起源になったとも言われています。和歌山県有数の特産品として、和歌山県推薦優良土産品に指定されています。
球磨焼酎(熊本県)
https://store.taragi.net/products/kayabuki
熊本県南部に位置する人吉・球磨地域では、九州山地に囲まれた豊かな自然と、良質な水によってお米の生産が盛んに行われてきました。そんな地域の産物を活かして作られたのが球磨焼酎(米焼酎)です。
球磨焼酎の「球磨」のように、産地呼称が認められた本格焼酎は日本に4つしかなく、厳しい品質管理のもと製造されています。熊本県では「球磨拳」というじゃんけんような拳遊びをしながら飲まれることもある、伝統のお酒です。
また、当サイトでは球磨焼酎以外の多良木町の特産品や地域の魅力ついてご紹介しています。ぜひ下記記事もご覧ください。
特産品×観光で地域をさらに満喫できる!
近年「フードツーリズム」という言葉をよく聞くようになったことからも、特産品や名産品は旅行の行き先を決める際に重視されることが多い、観光において欠かせないものであるといえます。「そこにしかないものを味わいたい」「本場を体験したい」など様々なニーズがありますが、特産品や名産品に注目することで、観光をさらに楽しむことができます。
ここでは簡単に、特産品と旅行を掛け合わせた観光コンテンツの事例を一部ご紹介します。
氷上でのワカサギ釣り(北海道)
北海道の網走湖や阿寒湖周辺で行われている氷上でのワカサギ釣り。氷に穴をあけて釣り糸を垂らす光景を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
釣った魚をその場で焼いて食べることができ、本場のワカサギのおいしさを堪能できるだけでなく、冬の北海道の景色の中で自分で釣った魚を食べるという体験も味わえる、魅力的な観光コンテンツです。
自分だけの梅干し作り体験(和歌山県)
https://shigoto100.com/2021/09/tanabecity-4.html
和歌山県の名産品の1つとして有名な梅干し。そんな梅干しを自分の好みの味付けでオリジナルのものを作れるのが、和歌山県日高郡みなべ町にある「紀州梅干館」です。
自分だけの配合で世界に1つだけの梅干しを作ることができるため、作る過程も含めて楽しめる内容となっています。
村まるごとゆずの森(高知県)
https://umajimura.jp/spot/factory/
高知県にある馬路村ではゆずの生産が盛んに行われてきましたが、ゆずの流行と共に村全体のブランド化を推進していったことで、現在馬路村は「ゆずの森」として観光地化されています。
本場のゆずやゆず風味の様々な料理、お菓子を食べることができ、また工場で生産の過程を見学することも可能であるため、貴重な体験を味わえます。
まとめ
今回は「特産品とは」というテーマで、「名産品」との意味の違いや有名な特産品の例、特産品と観光を掛け合わせたコンテンツなど、様々な観点で解説しました。特産品には地域の魅力がたくさん詰まっていて、その地域を好きになるきっかけになること間違いなしです。
当サイトでは、熊本県南部に位置する槻木集落と呼ばれる限界集落で生産される、様々な特産品や名産品を販売しています。神秘的な限界集落だからこそ作られる商品にご興味をお持ちいただけた方は、ぜひ下記サイトから商品をご覧ください。