熊本県南部にある、「つきぎ集落」。人口比率の50%以上が65歳以上を占める地域を指す「限界集落」に該当するつきぎ集落は、人口減少の影響を大きく受け、貴重な伝統や大切にしてきた文化の存続が難しい状況となってきています。

しかし、そんな状況の中でも、地域の方たちが今もなお必死に守り続けているものがいくつかあります。

その一つが、お米です。

山地特有の大自然の恵みを存分に吸収して育ったつきぎ米は、食べた人みんな口をそろえて「美味しい。」と声を漏らします。

今回は、そんなつきぎ集落が誇るお米「つきぎ米」の美味しさを少しでも伝えたいという思いで、ただただ美味しく食べていく様子をお届けしていきます。

目次

  1. 人口減少の一途を辿る集落が今もなお大切にする「つきぎ米」
  2. つきぎ米を構成する、大自然が生み出す3つの恵み
  3. つきぎ米を土鍋で炊くという一つの“解”

人口減少の一途を辿る集落が今もなお大切にする「つきぎ米」

つきぎ米は、多良木町南東部にある「槻木(つきぎ)地区」という山の中の地域で栽培される、一種のブランド米です。

一般的な地域にある田んぼは、平らで、正方形で、稲作を行うのに最適な形状をしています。一方、山の中での栽培となると、傾斜があり、限られた場所での栽培となってしまうため、効率だけで考えるととても“非効率”です。

しかし山での栽培は、平地では決して享受できない様々な魅力があるのも事実で、実際につきぎ米はこれらの影響で豊かで力強い味わいのお米へと成長しています。(詳しい特徴は次の項目で解説します)

つきぎ米は、つきぎ集落の人口減少の影響を受けつつも、現地の方々の「つきぎの伝統を残したい!」という思いのもと、必死に受け継がれている文化の一つです。そういった現地の方々の熱い想いもプラスして、つきぎ米は絶品のブランド米として確立されています。

つきぎ米

つきぎ米|つきぎ集落オンラインショップ

つきぎ米を構成する、大自然が生み出す3つの恵み

つきぎ米を初めて食べた人は、みんな同じように驚き、「美味しい!」と感動の言葉を言ってくださいます。

つきぎ米は限られた土地で、限られた人数で栽培されているお米であるため、生産できる量に限りがありますし、徹底的に仕組化された田んぼとは異なり、粒が欠けているものも含まれてしまいます。

ですが、そのデメリットを挽回するかのような豊かな味わい、素晴らしい美味しさがつきぎ米の最大の魅力です。この美味しさを生み出す秘訣は、つきぎ米が多様な大自然の恵みを存分に吸収して育っているからだと言えます。

ここでは、つきぎ米の栽培のポイントとなる、3つの特徴を解説します。

山地特有の寒暖差

つきぎ米の生産地であるつきぎ集落があるのは、標高約500mの山の中です。

標高が100m上がるごとに0.6℃ほど気温が下がると言われているので、つきぎ集落は平地と比べて約3℃も気温が低いことになります。一方で、標高が高い分日中は太陽の日差しがさんさんと降り注ぐため、つきぎ集落では朝晩で大きな寒暖差が生まれます。

この寒暖差が、美味しいお米の栽培にとても大きく貢献しています。

絶えることのない新鮮な湧き水

源流湧水

山の中にあるつきぎ集落は、集落内で使用する水すべてを「湧き水」で賄っています。集落内では宮崎県の綾北川を源流とする新鮮な湧き水が潤沢に溢れ出ているため、生活用水にもこの湧き水を使用しています。

そして、この湧き水は田んぼでの稲作にも使用されています。

そのまま飲めるくらい清潔な水であるのに加え、水温の低い水が流れ出ているため、夏の暑い時期でも稲を高温にさらし続けることを防ぎ、傷みや味わいが損なわれるのを防ぎます。

太古から変わらない肥沃な土壌

つきぎ集落の地面を掘ると、今でも縄文時代の矢じりが発見されることが多々あります(これは本当の話です笑)。

この時代背景が直接的な美味しさに繋がっているかは定かではありませんが、土壌を調査(※)に出した結果、栄養価の高い土壌であることが明らかとなりました。

この土壌の性質も、美味しいお米栽培に貢献している一つの要因です。

※…「(株)ファーミングテクノロジージャパン」調べ

つきぎ米を土鍋で炊くという一つの“解”

今回の記事は、つきぎ米をただただ美味しく食べる様子をお届けするという趣旨で書いています。

そこで今回は、つきぎ米を愛してやまない私ひりゅうが、一般的な炊飯器ではなく「土鍋」を使用した炊飯を行い、食べてみたいと思います。

つきぎ米が食べたくて仕方がない、私ひりゅうです。

いろいろ雰囲気も大事にして炊いてみたので、その感じもお楽しみいただきつつ、つきぎ米の美味しさを少しでも実感していただけたらいいなと思っています。

雰囲気が大事。枡を使って計量してみる

早速、雰囲気を大切にしました。お米をに入れて計量。

もちろん、枡に入れたからといってお米が美味しくなるわけではありません。ただやってみたかったからやりました。

ですが、食事をより美味しくするコツとして僕が大切だと思っているのは、「料理の行程を楽しむこと」と「雰囲気」です。

ワクワクしながら自分で作った料理には味を超越した美味しさを感じるでしょうし、仮に地元のファミレスで食べるハンバーグと高級ホテルで食べるハンバーグが全く同じ材料と調理方法で作られていたとしても、きっと高級ホテルの方を美味しいと感じるでしょう(私はファミレスで食べるハンバーグもめちゃくちゃ大好きですけどね!!)。

そういうことです。過程と雰囲気は食事を豊かにします

ということで、枡で計量したお米を適度に研いで、30分程浸水させます。

土鍋で炊く。ただそれだけ

蓋の隙間から泡が出てきたら、沸騰したサインです。

30分の浸水を終えたら、あとはそのまま土鍋を火にかけて、炊く。それだけです。

一応ポイントとしては、初めは中火でじっくりと沸騰させ、沸騰したら弱火で10分ほど炊き込むこと。

強火で短時間で沸騰させるよりも中火でじっくりの方が美味しくなります。弱火の10分は、固さの好みに合わせて前後させてもいいでしょう。

以上。絵にならない調理工程ですが、それが真実。

あとは炊きあがりを待ちます。

出来上がったら10分放置。その後、すぐに混ぜる

きっと既に良い香りが充満しているはずなので、火を止めたらすぐに食べたくなってしまうところですが、ここは一度我慢。10分間放置(蒸らし)しましょう。

放置することで熱が全体に均等に行き渡り、より美味しい状態でお米を食べることができます。

なんとか苦痛の10分間を耐え抜いたら、底からひっくり返すようにお米を混ぜ、余分な熱、蒸気を逃がしてあげましょう。

熱々のうちに食べる。これが一番美味しく食べる方法

さあ、土鍋で炊いたつきぎ米が完成しました。

最後のポイントであり、最大の秘訣。それは「熱々のうちに食べる」こと。温かいうちに食べるのが一番美味しく食べる一番の方法であるというのは、世の理です。

正直、おかずは必要ないです。このお米の芳香な香りとじっくりと味わうことで感じられる深い甘みを楽しみます。つきぎ米を購入された方は、ぜひ一度はおかずなしで食べてみていただきたいです。

以上、つきぎ米をただただ美味しく食べた様子でした。つきぎ米、ごちそうさまでした!!

集落の誇り、つきぎ米。ぜひ食べてみてください!

今回はつきぎ米を土鍋で食べる様子をお届けしましたが、普段は炊飯器で炊いて食べていますし、それでも普通にめちゃくちゃ美味しいです。

こういう書き方をしたらライター失格ですが、言語化できない美味しさがつきぎ米にはあります

ぜひ一度、皆さんにも食べていただきたいなあと心から思います。

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