こんにちは!地域創生ディレクターのひりゅうです!

熊本県南部の人里離れた山奥に位置する、槻木(つきぎ)集落。人口100人に満たない限界集落ですが、古くから山の大自然を最大限に活かした農作業が営まれています。

今回は、そんな槻木集落で栽培されている代表的な作物「お米」の苗を植えていく、田植え体験に参加させていただきました。しかも今回体験させていただいたのは、なんと機械を一切使わない手植えでの苗植え

やり方やコツを教えていただきながら、手植えだからこそ味わえる大変さややりがいなどを思う存分体験してきましたので、本記事ではその様子をお伝えしていきます!

目次

  1. 大自然を活かして作られる槻木のお米が、とってもおいしい!
  2. 田植え体験レポート!手植えに挑戦しました
  3. 田植え体験を終えて
  4. まとめ

大自然を活かして作られる槻木のお米が、とってもおいしい!

田植え体験をレポートする前に、今回体験をさせていただいた槻木集落で栽培されているお米の特徴ついて紹介していきます。

田植え自体は今回初めて体験させていただくのですが、実は私、槻木集落のお米はこれまでに何度も食べたことがあります。そして個人的な感想ではあるのですが、この槻木のお米、全国的に有名なお米と比較しても遜色ないくらいめちゃくちゃおいしいんです!!
(正直に言うと、槻木のお米が今まで食べた中で一番おいしいと思っています。あくまで個人の意見ですが、、、)

そんな槻木のお米が美味しい理由を調べていくと、その秘密は次の3つにあることがわかってきました。

槻木集落の方々が丁寧に丁寧に栽培している

槻木集落の方々が丁寧に丁寧に栽培している

槻木集落は最低年齢が60歳と高齢化が進む地域ですが、槻木のお米は今でも現地のおじいちゃんおばあちゃんたちが丹精を込めて、丁寧に丁寧に栽培しています。だからこそ、機械化が進む現代においても手植えをとても大切にしています。

お米作りの長年の経験と真心こめた丁寧な栽培が、槻木のお米を美味しくする理由の1つです。

大自然の恵みを存分に取り入れて育つお米

美味しいお米が育つ環境が揃っている

標高500m以上に位置する槻木集落は朝晩の寒暖差が激しく、育つ過程で旨味が凝縮されます。さらに使用する水は豊かな源流湧水土壌は不純物を含まない栄養価の高い土であり、美味しいお米が育つ環境が揃っています。

昔ながらの製法でお米本来の味わいが楽しめる

昔ながらの製法を今でも大切にしている

今回は苗植えを手作業で体験させていただきますが、このように槻木集落では昔ながらの製法、栽培方法を今でもとても大切にしています

本記事ではご紹介できませんが、稲刈りと一緒に行う稲架掛けはお米の旨味をギュッと閉じ込めると言われており、槻木のお米が美味しい最大の理由だともいえます。

槻木のお米は、現在『つきぎ米』としてブランド化し、オンラインショップで販売しています。上記の理由で大量生産が難しいつきぎ米ですが、少しでも多くの人にこの美味しさを体験してもらいたいと思い、立ち上げたブランドです。ご興味のある方は、ぜひ一度お試しください!

つきぎ米

槻木集落のおいしいお米『つきぎ米』

田植え体験レポート!手植えに挑戦しました

田植え体験レポート!手植えに挑戦しましたそれではここから、田植え体験の内容を紹介してきます。今回は同じく地域創生事業部メンバーのぞえ、うりーなと一緒に田植えの体験を行いました。田植え体験の機会を提供してくださったのは、50年以上のお米栽培の経験を持つ椎葉袈史(しいばけさし)さん。全員が初めての田植え体験ということで、椎葉さんには手植えの基本的なやり方から教えていただきました。

手植えのやり方について

今回の田植えは苗を手で植えていくため、苗を植える間隔1株に植える苗の本数などを意識して田植えを行う必要があります。

間隔が狭すぎたり1株に植える本数が多すぎると、1本1本の苗に十分な栄養が行き渡らず、健全な養育が行えません。一方で、間隔を広げすぎたり1株の本数を少なくして植えてしまうと、農地に隙間ができてしまい効率的な栽培を行うことができません。

これらを考慮して、手植えを行う際には土に印をつけたりひもを使ったりして間隔の目安となる目印を用意し、植える苗の本数は3~4本くらいを意識して田植えを行っていきます。

苗は親指、人差し指、中指の3本の指で挟むようにして持ち、土に向かって真っすぐ突き刺すようにして植えます。苗は浅めに植えることが基本ですが、浅すぎると苗が横に倒れてしまうため、初心者は苗を立たせるために逆に気持ち深めを意識して植えるのが効果的です。

手植えのコツ

機械を使わず田植えを行う際には、上手く手植えを行うためのコツやポイントを意識する必要があります。

先ほどは植える苗は3から4本ほどを意識した方がよいと記載させていただきましたが、実際には正確な本数を意識しすぎるとあまりにも時間がかかってしまいます。そのため「だいたい」3~4本くらいを意識することが大切だということを教えていただきました。多少の誤差は苗の生育にはそこまで影響しないとのことです。

また、多くの方が想像している通り田んぼの中はぬかるんでいて非常に歩きづらいです。そんな足場の中でも転ぶことなく、さらに腰や足への負担を軽減させるためには、小股で歩きながら苗を植えることが大切だということも教えていただきました。

小股で苗を植えることで安定感が増し、手植えがやりやすくなるのと同時に体への負担が少なくなるそうです。

体験レポート

体験レポート 教えていただいたやり方やコツを参考にして、早速苗の手植えに挑戦していきます。田んぼに入るのは初めてだったので歩くことすら大変でしたが、勢いよく田植えをスタートしました。

数百本の苗が固まっている苗代から3~4本の苗を取り出して、田んぼに植えていきます。まず感じたのは、苗代から狙った本数の苗を取り出すのが難しいということ。3,4本という本数は意外と少なく、雑に取り出してしまうと多くとりすぎてしまいます。

コツの部分で多少の誤差は仕方がないと教えていただきましたが、どうしても完璧を意識してしまい、時間がかかってしまいました。

田植えの手植えは、大変 また、土の中に植えていく作業も想像以上に大変でした。上述の通り手植えでは苗が横に倒れないように気持ち深めに植えていくことがコツとなりますが、田植えのスピードを上げることを意識してしまうと、深さの調整に意識が回らなくなってしまい、苗が横に倒れてしまいました。

しかし、ふと周りを見てみると、同じく初体験だったぞえ、うりーなは苗を横に倒すことなくきれいに植えていました。ひょっとすると、田植えが下手なのは自分だけなのかもしれません。自分の手先の不器用さに落ち込みましたが、あきらめずに植え続けます。

 1時間ほどかかりましたが、田んぼの全範囲に苗を植えることができました!低い姿勢で苗を植え続けていたので腰がとても疲れましたが、初体験の3人と椎葉さんの計4人で田植えを行ったため、1時間という時間で終わらせることができました。

田植えに慣れている人がやればもっと短い時間で終わらせられたのかもしれませんが、無事作業を終わらせることができて、良かったです。

田植え体験を終えて

田植え体験を終えて初めての田植え体験を終えた感想は、「やっぱり、手で苗を植えていくのは大変だ」でした。慣れない姿勢と慣れない足場で苗を植え続けていくのは体力的に苦しかったですし、さらに本数や間隔を意識し続けた状態で田植えを行わなければいけないので、それも大変でした。

しかし今回は、そんな大変な手植えだからこそ得られる「感謝」の気持ちを実感することができた体験でもありました。

普段僕たちが食べているお米は、過酷な農作業を乗り越えて生産されている貴重な作物です。現在は機械を使って作業を行うのが主流となってはいますが、それでも暑い日も寒い日も休まずに農作業と向き合い続けなければ、美味しいお米を作ることはできません。

今回の体験を通して、そのような「お米への感謝の気持ち」を強く実感することができたのは、とてもよかったと思います。当然ですが、安易にご飯を捨ててしまうようなことは起きてはいけないとも感じました。

まとめ

今回は熊本県多良木町の槻木集落で、人生で初めての田植え体験に参加させていただいた様子を紹介しました。大変な作業でしたが、大変だったからこそ様々な気づきや学びを得ることができました。

私たち日本人にとって、お米はソウルフードともいえる欠かすことができない食べ物です。そんなお米をより大切に、噛みしめて食べていこうと思わせてくれた今回の田植え体験は、僕たちにとってとても貴重なものとなりました。

田植え体験の機会を提供してくださった椎葉袈史さん、ありがとうございました!