近年、「地域創生」「地方移住」が学生や若者から注目されるようになってきていますが、その中で「地域おこし協力隊」というものを聞いたことがある方もいますよね。

しかし、地域おこし協力隊について、具体的な内容まではよく分からないという方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、地域おこし協力隊になるメリットや待遇、なり方などを解説します!

目次

  1. 地域おこし協力隊とは
  2. 地域おこし協力隊の待遇・任期
  3. 地域おこし協力隊になる前に
  4. 地域おこし協力隊のメリット
  5. 地域おこし協力隊になるには
  6. 地域おこし協力隊の任期後
  7. 地域おこし協力隊として地域を盛り上げよう!

地域おこし協力隊とは

まず初めに、地域おこし協力隊とは何なのかについて見ていきましょう。

地域おこし協力隊は、都市地域から人口減少や高齢化等の進行が著しい地域に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組みです。

隊員を任命するのは各地方自治体であり、活動内容や条件、待遇は、募集自治体により様々です。

地域おこし協力隊は平成21年度に開始され、令和2年度取組団体数(受入自治体数)は1,065団体で、隊員の数は5,556名にのぼります。(令和3年3月時点)

政府はこの隊員数を令和6年度に8,000人に増やすという目標を掲げており、この目標に向け、地域おこし協力隊等の強化を行うこととしています。

隊員の男女比は男性6割、女性4割で、幅広い世代の隊員が活躍していますが、約7割は20・30代の若い世代です。

「地域おこし協力隊とは?」(総務省)より抜粋

上記の内容をまとめると、地域おこし協力隊の主な目的は2つ挙げられます。

  • 隊員の活動による地域の活性化
  • 隊員の定住、定着

地域おこし協力隊の待遇・任期

地域おこし協力隊の活動内容や応募条件、待遇などは各自治体によって異なりますが、報酬は月額15万円〜20万円程度が一般的です。

また、活動に必要と認められる住居や自動車、備品などは支給や補助がある場合が多いでしょう。任期は概ね1年以上、3年未満となっています。

地域おこし協力隊になる前に

いざ地域おこし協力隊に挑戦しようと思っても、いきなり知らない土地に移住するのは不安があるという方もいますよね。そんな方でも安心して参加できるように作られたのが、「おためし地域おこし協力隊」「地域おこし協力隊インターン」です。

実際に地域おこし協力隊に応募する前に、受け入れ地域とのマッチングを図ることができるので、ミスマッチを防ぐことにも繋がります。

おためし地域おこし協力隊

おためし地域おこし協力隊は、一定の期間(2泊3日以上)で地域協力活動を体験することができます。

期間 2泊3日以上
移住要件 なし
活動内容

・行政、受入地域等関係者との顔合わせ

・地域の案内、交流会

・地域協力活動の実地体験 等

地域おこし協力隊インターン

地域おこし協力隊インターンは、隊員としての具体的な活動や生活をイメージしやすいように、実際の地域おこし協力隊と同様の活動に2週間〜3か月従事します。

期間 2週間~3か月
移住要件 なし
活動内容 地域おこし協力隊と同様の地域協力活動に従事

地域おこし協力隊のメリット

地域おこし協力隊として地方に移住するメリットには以下のようなものがあります。

  • 地方自治体や行政の支援がある
  • 地方での暮らしや生きがいを体験できる
  • サポート体制が充実している

地方自治体や行政の支援がある

地方に移住したいと思っても、最初から地域と繋がりがあるという方は多くありません。しかし、地域おこし協力隊を利用して地方に移住する場合は、地方自治体が仲介役となって地域住民との交流の機会を設けてくれることがあります。

また、隊員向けの研修なども用意されており、知らない土地に一人で移り住む上での不安解消に繋がります。

地方での暮らしや生きがいを体験できる

地方には都会にはない魅力や、これまで気づけなかった喜びがたくさんあります。その地域で暮らす人々との繋がりや、田舎での暮らしを通じて得られる発見や感動は一生の財産になります。

こうした日々が生きがいにもつながり、任期後もその地域に定住・定着する人が多くなっています。

サポート体制が充実している

地域おこし協力隊には、「地域おこし協力隊サポートデスク」があり、隊員がより良い活動をできるようにサポートしてくれます。このサポートは、活動中はもちろん、応募する地域を選ぶ段階からも受けられます

一般行政相談員や、隊員OB・OGによる専門相談員など、相談内容に合わせて対応できる窓口が多いことも魅力です。

地域おこし協力隊になるには

では、実際に地域おこし協力隊になるためにはどうすれば良いのでしょうか。

地域おこし協力隊になるまでのステップは以下の通りです。

  • 地域を選ぶ
  • 応募する
  • 選考
  • 活動開始

地域を選ぶ

まず初めに、興味がある地域や挑戦したい活動を調べます。地域おこし協力隊のポータルサイトで、隊員を募集している地方自治体を見ることができます。気になる募集の要項や条件を確認し、応募したい地域を選びましょう。

応募する

募集を探す中で応募したい地域が決まったら、次は応募に移ります。この段階に移るまでに、地域おこし協力隊のサポートデスクなどもあるので、応募に際して不明な点や不安な点は相談することが可能です。

また、赴任が決まれば一定期間住む場所になるので、可能であれば応募の前に一度足を運んでみると良いでしょう

選考

応募が完了し、提出書類に不備が無ければ自治体から連絡があり、次は選考があります。面接方法は地域によって異なりますが、オンラインで面接を受けられる場合も増えてきています

該当地域でやりたいことや、志望動機、自分ができるこなどを整理し、熱意や想いも伝わるようにしっかり準備して臨みましょう。

活動開始

面接後、採用が決まれば、いよいよ赴任先に住民票を移して活動が始まります。最初は分からないことも多いですが、地域での人間関係も大切にし、周りの助けも借りながら少しずつ生活に慣れていきましょう。

また、赴任先で困ったことがあった場合も、サポートデスクなどの相談できる環境が整っているため安心です。

地域おこし協力隊の任期後

地域おこし協力隊の活動が終わった後の生活がどうなるかも気になりますよね。

任期終了後もその地域に定住・定着する人は多いですが、その場合は自身で収入を得て生活する方法を見つけなければなりません。

地域おこし協力隊員の任期終了後の進路の例は以下の通りです。

  • 現地で起業・開業する
  • NPO法人や社団法人を立ち上げて活動する
  • 地域産業に従事する
  • 現地の企業に就職する
  • 行政職員として働く

地域おこし協力隊の隊員には、任期終了後の進路に向けてのスキルアップ研修や、起業のためのセミナーの機会も用意されています。隊員としての活動を通して愛着を持った地域に、継続して住めるサポートがあるのは嬉しいですね。

地域おこし協力隊として地域を盛り上げよう!

今回は、地域おこし協力隊について解説しました。地域おこし協力隊がどういった仕組みなのか、またどのような魅力があるのか、などをご理解いただけたのではないでしょうか。

地域創生や地方移住に関心がある方にとっては魅力的なプロジェクトの一つなので、興味を持たれた方は是非挑戦してみてください。