こんにちは!地域創生ディレクターのひりゅうです。

熊本県の最南端に位置する人吉市。鎌倉時代から続く歴史的な建造物や、日本三大急流の1つ「球磨川」があるなど、歴史自然の魅力が豊富な地域ですが、もう1つ、人吉市を語るうえで欠かせないものがあります。

それが「鉄道」です。

今回は鉄道ファン大興奮の貴重な展示品がたくさん置かれている博物館「人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868」に行ってきたので、特徴や魅力についてご紹介します!

目次

  1. 人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868とは?
  2. 人吉鉄道ミュージアムの中をご紹介!
  3. 小さなSLに乗れる?!魅惑のミニトレインに乗車してみます
  4. 施設の担当者さんにもお話を聞いてみました
  5. 人吉鉄道ミュージアムで鉄道の魅力を思う存分体感してください

人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868とは?

まずは人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868(以下、人吉鉄道ミュージアム)について、簡単にご紹介します。

人吉鉄道ミュージアムは、鉄道に関する展示品が置かれていたり、資料や映像で鉄道の歴史を学ぶことができる、鉄道博物館です。明治時代から続く肥薩線(八代市から鹿児島県霧島市を繋ぐ鉄道路線)の歴史をはじめ、地域の魅力や大切な文化を残したいという想いで作られました。

館内には貴重な資料、展示品の数々に加え、小さな子どもが楽しめる遊び場やグッズ売り場、蒸気機関車を体験できるミニトレインなど、博物館以外の機能も充実していて、大人も子どもも楽しむことができる施設となっています。

またこの人吉鉄道ミュージアムは、人気の観光列車「ななつ星 in九州」などを手掛けたデザイナー、水戸岡鋭治さん監修で作られました。水戸岡さんが描いたイラストや特徴あるデザインが館内のいたるところに散りばめられていて、「水戸岡ファン」の方も多く来館されているそうです。

人吉鉄道ミュージアムの基本情報

施設名 人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868
住所 〒868-0008
熊本県人吉市中青井町343-14
電話番号 0966-23-2000
営業時間 9:00~17:00
定休日 毎週水曜日(水曜が祝日の場合は翌日)
年末年始(12/30~1/2)
入館料 無料
(ミニトレイン、レイルバイクは1回200円)
駐車場 あり(無料/16台)

人吉鉄道ミュージアムの中をご紹介!

今回は実際に人吉鉄道ミュージアムに行き、館内の様子やその魅力を体験してきました。ここではその様子をお伝えしていきます!

外観はレンガ造りのおしゃれな見た目!

施設の周辺には人吉駅や復興商店街(モゾカタウン)が隣接しているのですが、レンガ造りの人吉鉄道ミュージアムの外観はその中でも異彩を放っていて、おしゃれな雰囲気があります。

レトロで懐かしいデザインなのに、どこか斬新で画期的な印象も感じる。さすが水戸岡鋭治さんのデザインだなと感心させられます。

入口には人吉鉄道ミュージアムおなじみの看板がお出迎え。チラシなどでも使われているイラストで、人吉球磨地域ではおなじみです。

歴史ある写真で当時に思いを馳せる

館内には歴史を感じる写真の数々やその解説が多数展示されています。

僕は鉄道に関してあまり詳しくないのですが、説明を読むことで当時の時代背景肥薩線の特徴が理解でき、素人でもとても楽しめました。

鉄道ファンならたまらない?貴重な展示品の数々

写真の展示以外にも、当時の機関士の制服実際に列車で使われていた部品路線で使用されていた標識などが飾られています。

これらの多くは、地域の方々の協力により寄贈いただいたり、貸出していただいたりしているそうです。鉄道博物館は地域と鉄道ファンが一体となって創り上げるからこそ実現できるものなのかもしれませんね。

映像でも歴史を体感できます

肥薩線の歴史を、映像でも学ぶことができます。やはりミュージアムとしての機能は充実していますね。

揺り椅子なのも雰囲気があってとてもいいですが、座ってしまうと気持ちよさでそのまま眠ってしまいそうだったので、今回はやめておきました。

子どもが楽しめる遊び場やプラレールも

人吉鉄道ミュージアムには子どもが楽しめる場所、仕組みがたくさん用意されています。

施設1階の奥の方には、滑り台や積み木などの子ども向けの遊び場があります。また、中央には実際に肥薩線を通る列車のプラレールが走っていて、電車好きの子どもなら何時間でも居れてしまうような場所になっています。

思い出の一品に!グッズ販売もあります

人吉鉄道ミュージアムはグッズ販売も行っています。これは鉄道ファンの方にとってはなかなか熱いのではないでしょうか?

肥薩線に関する鉄道をグッズにしたものが多く販売されていて、鉄道ファンでなくてもミュージアムに来た記念として購入するのもありだと思います。

2階と屋上も充実しています

人吉鉄道ミュージアムは2階と屋上にも上がることができて、どちらも充実しています。2階は肥薩線の歴史に関する資料の展示と、子ども向けのレイルバイクがあります(利用料200円)。

屋上では、大人気のSL人吉(※)が給水・清掃・点検する施設で、歴史的にも貴重な石造りの機関車庫「人吉機関庫」を眺めることができます。

鉄道に詳しくない人は「何か雰囲気がある建物があるなあ…」くらいにしか感じられないかもしれないですが、実はこの建物、1911年に建設された国内唯一の現役石造機関庫という、すごいものなんです!

SL人吉が運行していた時は、この屋上は人でいっぱいになってしまうことも多かったとか。きっと素敵な光景だったんだろうなあ。。。

※SL人吉とは
日本で最も古い、現役の蒸気機関車。1922年に製造され、廃車、運休と復帰を繰り返しながら、今もなお愛され続ける人気のSL(蒸気機関車)です。運行開始から100年以上の年月を経て、2024年3月に引退予定。

小さなSLに乗れる?!魅惑のミニトレインに乗車してみます

館内の特徴についてご紹介していきましたが、実は1つ、まだ紹介していないものがあります。個人的には施設の中で一番の注目ポイントだと思っているのですが、人吉鉄道ミュージアムには「ミニトレイン」という名前の乗り物が用意されています。

ミニトレインは、車体をギュギュっと小さくして、室内でも走れるようにしたミニチュアサイズのSLです。SL特有のサウンドとスモークが出る仕様になっていて、車体にまたがる形で人が乗ることも可能です。

この乗り物が非常に人気、ということで、今回は実際に僕もミニトレインに乗車してみました!

運賃は往復400円(片道は200円)

ミニトレインに乗るためには、通常の電車と同様、切符を購入する必要があります。運賃は往復400円。片道だけの利用も可能で、その場合料金は200円です。

目的地は人吉駅。片道切符を購入した人は、人吉駅で降りることになります。ちなみに僕は動くミニトレインの様子を撮影したかったので、人吉駅で降りる片道切符を購入しました。

いざ出発!SLならではのサウンドが迫力満点

発車時刻が近くなると、車両に乗車できるようになります。車両に乗って待っている間は、なんだかソワソワします。

時間になり、いざ出発!SL特有のサウンドが豪快に鳴り響き、発進の迫力は満点です!はじめはゆっくりと円を描くように進んでいくのですが、線路が直線になると、思いのほかスピードが出ます。屋外に出て人吉駅に向かうのですが、体にぶつかる風が心地よく、気持ちいいです

人吉駅に到着、復路便は反対向きで戻ります

ほどなくして人吉駅に到着しました。思ったよりスピードが速く、なかなか楽しかったです。大人の人も喜んで乗車する、というお話を事前に聞いていましたが、その理由がよくわかりました。

往復切符を購入した場合は、このまま逆向きになって施設へと戻ります。大人も子どもも楽しそうで、とても素敵な空間を味わうことができました。

施設の担当者さんにもお話を聞いてみました

ここまで人吉鉄道ミュージアムの中身をじっくりと見ていきましたが、こんなにも素晴らしい施設なんだから、もっと深く理解して、もっと多くの人にこの魅力を知ってもらいたい!多くの人にこの施設を訪れてもらいたい!

そう思い、今回は施設のご担当者様にご協力いただき、施設設立の経緯や想いなどについてインタビューをさせていただきました。ここではお伺いした内容をお伝えします。

人吉鉄道ミュージアムを設立した理由は何ですか?

人吉には、明治時代から残されてきた伝統、文化、貴重な品々などがたくさんあります。人吉鉄道ミュージアムで紹介している肥薩線も、明治時代に開通しました。
このように、古くから大事に、大切に受け継がれてきた歴史を現代にも残し、そしてさらに多くの人に知ってもらいたい。この想いのもと、人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868を設立しました。

人吉鉄道ミュージアムにはどんな方が来られますか?

もちろん鉄道ファンの方もご来館されますが、特に多いのは家族連れのお客様です。小さなお子様をお連れのご家族にお越しいただくことがとても多いですね。土日は特にたくさんのお客様にお越しいただきます。

人吉鉄道ミュージアムの推しポイントを教えてください!

ミニトレインやレイルバイクは多くの方にご利用いただいている人気のコンテンツですが、最近の目玉は、東京都立大崎高校のペーパージオラマ部に寄贈していただいた、JR肥薩線・球磨川第一橋梁のペーパージオラマです。

複雑なジオラマが紙だけを使って作られているのは本当にすごいですし、しかも熊本豪雨の被害を想ってこのジオラマを作成していただいたということでしたので、ありがたく当館で展示させていただいています。

やはり、熊本豪雨の影響は受けましたか?

被害は大きかったです。施設の床が浸水してしまうくらい水が入ってきてしまい、8カ月間休館せざるを得ませんでした。施設は無事復旧することができたのですが、肥薩線の被害が大きく、現在もなお不通という状況です。SL人吉が人吉駅に停車しなくなってしまったのも、とても残念です。

人吉鉄道ミュージアムの今後の目標や想いについて教えてください!

肥薩線の被害の影響や新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、以前よりも来館者数が少なくなってしまったという現状は、やはりあります。
私たちとしては、豪雨やコロナ前のようにたくさんのお客様にお越しいただき、人吉が誇る鉄道の魅力を多くの人に味わっていただきたいと思っています。そのためにも、今は様々なイベントを企画・実施したり、Instagramでの情報発信などを行っています。

人吉鉄道ミュージアム公式Instagram

人吉鉄道ミュージアムで鉄道の魅力を思う存分体感してください

今回は人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868についてご紹介していきました。

人吉鉄道ミュージアムには、子どもの遊び場や子ども向けのコンテンツがたくさん用意されていて、家族で来て楽しめるような施設になっていますが、やはり鉄道ファンの方にもぜひ訪れてみてほしいと思います。

人吉駅を通るSL人吉を見ることはもうできませんが、それ以外にも鉄道ファンなら大興奮の展示品やコンテンツが盛りだくさんです!鉄道のことをあまり知らない僕でもとても楽しかったので、間違いなしです。

ぜひ一度、人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868に行ってみてください!

人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868