地域創生ディレクターのひりゅうです!

槻木集落では、普通のスーパーではあまり見かけない、珍しい野菜をいくつか栽培しています。僕もこれまでにたくさんの地元野菜を食べてきたのですが、そのうちの1つ「地きゅうり」は、他の地域に胸を張って自慢できる、絶品の野菜だと思っています!

しかし、地域特有の野菜である地きゅうりのことを知らない方は、やはりたくさんいらっしゃいます。

今回は、これまで地きゅうりのことを知らなかった方に「地きゅうりを食べてみたい!」と思っていただけるような記事を書きました。ぜひ多くの方に地きゅうりを知っていただき、多くの方に地きゅうりを食べていただきたいと思っています。

本記事を読んで、まずは地きゅうりの魅力を体感してみてください!

目次

  1. 地きゅうりってなに?
  2. 地きゅうりの魅力を徹底解剖!
  3. 地きゅうりは苦い?美味しく食べる方法を解説します
  4. 地きゅうりを最高に美味しく食べるレシピを解説
  5. 地きゅうりの育て方について
  6. 地きゅうりで、自然の味を体感してください!

地きゅうりってなに?

熊本県阿蘇地域を中心に栽培されている、少し変わった見た目をしたきゅうりのことを「地きゅうり」といいます。

現在は細く濃い緑色をしたきゅうりが一般的ですが、この地きゅうりは阿蘇地域で古くから栽培されている、在来種です。地域の環境に合った品種であるため、きゅうり本来のしっかりとした味わいを楽しむことができ、地元の人たちからとても愛されている野菜の1つです。

似た品種は阿蘇地域以外でも栽培されていることがあり、地域によっては「昔きゅうり(むかしきゅうり)」と呼ばれることもあります。

地きゅうりの魅力を徹底解剖!

熊本県の在来種である地きゅうりですが、同じく熊本県である槻木集落でも、もちろん栽培されています。槻木で暮らす方々も、地きゅうりが大好きな方はたくさんいます!

ここでは、多くの熊本県民から愛される魅惑の野菜、地きゅうりの魅力について解説していきます。

地きゅうりの見た目の特徴

地きゅうりの見た目で一番特徴的なのは、サイズです。通常のきゅうりの3倍近い大きさをしています。

一般的なきゅうりに慣れ親しんでいる人が地きゅうりを見ると、「これ、本当にきゅうりなの?」と疑ってしまうかもしれません。あまりに大きいので、熟れて食べられないのではないかと思うかもしれませんが、美味しく食べることができるので安心してください。

色は黄緑色をしています。黄色になっている部位があることもありますが、地きゅうりは少し黄色がかったところがある方が食べやすいと言われています。

地きゅうりの味の特徴

サイズが大きく独特な形をしているので、「味も一般的なものと比べて、クセがあるのでは?」と思われるかもしれませんが、その逆です。地きゅうりはクセがなくて食べやすいことが特徴です。

果肉がしっかりと詰まった地きゅうりは水分が豊富で、非常にみずみずしいです。そのため、きゅうり本来の味わいはしっかりと感じられるのに、独特なきゅうりのクセのある味わいは抑えられている印象があります。きゅうりが苦手だけど地きゅうりは食べられる、という人もいるほどです。

また、果肉がしっかりと付いている地きゅうりは、食感もとてもいいです。ジューシーな歯ごたえには満足感があり、ご飯の箸休めにもぴったりです。

地きゅうりの栄養について

地きゅうりの栄養についても解説していきます。

基本的な栄養素は通常のきゅうりとそれほど違いはありません。ビタミンCビタミンKカリウムなどが含まれています。

きゅうりは水分が全体の95%ほどを占めるため、栄養素が少ない野菜と言われることがありますが、上記栄養素はしっかりと含まれているため、栄養がないわけではありません。

地きゅうりは苦い?美味しく食べる方法を解説します

先ほど地きゅうりはクセが少ないきゅうりである、と説明しましたが、地きゅうりに対して「苦みがある」というイメージを持っている人がいるようです。

ここでは地きゅうりの苦みや、美味しく食べるポイントなどについて深堀って解説していきます。

地きゅうりは苦くない、むしろ食べやすい

筆者は熊本県の槻木集落で採れる地きゅうりしか食べたことがないため、確かなことはお伝えできませんが、槻木集落の地きゅうりに関しては苦みを感じたことは一度もありません

先ほど述べた通りクセが少なく、とても食べやすいきゅうりだと感じています。

しかし、調べてみると地きゅうりを苦いと感じている人がちらほらいらっしゃるようですので、もしかしたら地域や品種によって違いがあるのかもしれません。

地きゅうりの苦みは対策可能

地きゅうりを苦いと感じる人がいるかもしれませんが、通常のきゅうりも含めて、苦みは工夫すれば減らすことができると言われています。おすすめの対策は、皮を取り除くことです。

きゅうりの皮のすぐ下には「維管束」と呼ばれる管が存在します。そしてこの維管束には、苦み成分のある「ギ酸」が多く含まれています。そのため、皮を剥いて食べることで、苦みを感じにくくすることができます。

また、地きゅうりの皮は通常よりもやや硬めとなっているため、食べやすくするためにも取り除くことをおすすめします。

地きゅうりの食べごろの時期について

また、早い時期に収穫してしまった地きゅうりも、苦みを感じることがあります

おすすめの食べごろは、収穫前の地きゅうりの下の方が少し黄色がかってきたタイミングです。一般的には黄色は「熟しすぎ」のイメージがありますが、地きゅうりはこれくらいがちょうどよいです。

程よくやわらかくて食べやすいので、ぜひ試してみてください。

地きゅうりは種が大きい!捨てる?捨てない?

サイズが大きい地きゅうりは、種のサイズも大きいです。

種は食べることもできますが、食感の邪魔になると感じる人もいるようですので、取り除いて食べることをおすすめします。

地きゅうりを最高に美味しく食べるレシピを解説

地きゅうりについては理解したけど、結局どうやって食べるのが美味しいかがわからない。そんな方に向けて、これまでに数えきれないほど地きゅうりを食べてきた私が、地きゅうりのおすすめの食べ方をご紹介します。

ただご紹介するのは、正直レシピと言えるものではありません。非常に簡単なものです。簡単だからこそ、すぐにトライできる。

ぜひ多くの方においしい地きゅうりを食べていただきたいと思っています!

生の状態で、塩や味噌に付けて食べる

やはり、一番はこの食べ方です。みずみずしく、フレッシュな地きゅうりは、生のままで食べるのが格別に美味しいです。

先ほども説明しましたが、皮がやや硬いので剥いた状態で食べることをおすすめしますが、私的には全部剥くことはせず、ストライプ状に皮を残して食べるのが一番美味しいです。

パリッとハリのある食感はきゅうりの醍醐味の1つでもあるため、いくら硬いとはいえ全部剥いてしまうのはもったいないです。

また、食べる際には塩や味噌をつけて食べましょう。おすすめは味噌麹です。甘辛い味噌と、さっぱりとした地きゅうりの味わいが絶妙で、どれだけでも食べてしまいます。

漬物にして食べる

地きゅうりは漬物との相性が非常に良いという特徴もあります。

少し専門的な話になりますが、きゅうりを栽培する際、地きゅうりはそのものの苗を使用して栽培する一方で、一般的なきゅうりは根っこ部分だけを別の野菜のものと入れ替えて結合する「接ぎ木」と呼ばれる苗を使用して栽培することが多いです。

接ぎ木のメリットデメリットは様々なものがありますが、きゅうりに関しては、接ぎ木にすると皮に変化が生じ、漬物などをする際に味が浸透しにくくなってしまうと言われています。

地きゅうりは接ぎ木苗を使用していないため、漬物の味やダシはしっかりとしみこんでくれます。そのため、通常のきゅうりよりも漬物向けであると言えます。

写真は地きゅうりをピクルスにしてみましたが、浅漬けでサクッと漬物にしてしまうのもおすすめ。ぜひ試してみてください。

炒めて食べる

最後に紹介するのは、地きゅうりを炒めるという方法です。

きゅうりを炒め物に使用することは多々ありますが、少し熟れた食感になってしまい、あまり好きではないというお話を聞くことがあります。

ただ、地きゅうりは水分が豊富であり、かつ果肉がしっかりと詰まっているため、さっと炒めるだけなら本来の食感を損なうことなく、美味しく食べることができます

それほど味が強い野菜ではないため、どんな炒め物料理にも合います。食感のアクセントをプラスする目的で使ってみるのはいかがでしょうか?

地きゅうりの育て方について

地きゅうりの美味しさを知り、地きゅうりのファンになってしまった方は、ぜひ地きゅうりを自分で栽培することにチャレンジしてみてください。

基本的には通常のきゅうりの栽培方法と大きな違いはありませんが、いくつかポイントがありますのでここで解説していきます。

トンネル型支柱を使用する

トンネル型支柱とは、キュウリなどのつる性植物の栽培に使用される、アーチ状の支柱を用いた栽培用資材です。

通常のきゅうりでも使用される道具ですが、つるを伸ばし、効率よく成長させていくためにも、丁寧に支柱を立てていきましょう。

株間を広く取り風通しを良くする

地きゅうりは通常のものよりも葉が大きいという特徴があります。

葉が大きいため、株間の間隔が狭いと太陽に当たらない面積が大きくなってしまい、健全な成長を妨げてしまう恐れがあります。また、風通しが悪くなってしまうため、病気になってしまうこともあります。

株間の間隔を広げて、効率良く成長させることを意識しましょう。

病気と害虫対策

きゅうりの栽培では、うどんこ病ウリハムシによる被害に注意しましょう。梅雨などの多湿時は特に気を付けてください。

対策としては、先ほどご紹介した株間を広げて風通しを良くすることと、被害にあった葉を見つけたらすぐに摘み取ってしまうことです。

被害を最小限に抑えることを意識してください。

地きゅうりで、自然の味を体感してください!

今回は熊本県を中心に栽培される、地域の魅力がたくさん詰まった野菜「地きゅうり」の魅力をご紹介していきました。

熊本県の阿蘇地域周辺ではスーパーなどでも見かける地きゅうりですが、それ以外の地域では目にすることが少ない野菜かもしれません。ただ、東北地方の一部地域でも地きゅうりは親しまれているようなので、もしかしたら道の駅などに行くと地きゅうりが売られているかもしれません

ご興味を持っていただけた方は、ぜひいろいろな店に足を運んで、地きゅうりが販売されているかどうかチェックしてみてほしいと思います。

また、当サイトでは現在、槻木集落で採れる野菜の詰め合わせセットを販売しています。8月は地きゅうりもラインアップに含まれていますので、興味のある方は是非お申込みください!

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また、地きゅうりについては槻木集落公式インスタグラムでもご紹介しています。その他さまざまな情報を発信しているので、ぜひこちらもご覧ください!

地きゅうりについて(槻木集落公式インスタグラム)